第三に、安保法案が、日本が戦争に巻き込まれる、あるいは戦争に自主的に参加するリスクを高めたこと。
安倍首相は、集団的自衛権の解禁後、日本の自衛隊が米国の軍艦の護衛などの米軍を支援する活動を執行でき、日米同盟の強化を通じて他国への抑止力を高め、それにより戦争のリスクを回避できると公言している。しかし元防衛研究所長の柳澤協二氏は、自衛隊が米国の軍艦を護衛した場合、日本がこれにより敵国とみなされ、それにより攻撃され戦争に至るというもう一つの可能性が高まると指摘する。
政界の重鎮で、元財務大臣の藤井裕久氏は、安倍首相による日米軍事同盟の強化に対し深い懸念の意を表している。藤井裕久氏は次のように指摘する。日本が戦前日英軍事同盟や日独伊三国同盟を締結し、日本を戦争へと深く陥らせる結果になった。安倍首相は集団的自衛権を解禁し、「対等」な日米軍事同盟を打ち出そうと企んでおり、しかも軍事同盟の特徴は仮想敵国を作り出すことだ。これは誤った道を進んでいるといえる。
第四に、米国に従属する安倍首相の姿や歴史修正主義が、戦争法案の危険性を拡大したこと。
安倍首相は5月上旬の米議会演説で、安保関連法案を今年の夏の国会閉会までに可決させると承諾している。しかし、この承諾の背景にあるのは、それ以前に、日米政府がそれより先に改定された日米防衛協力のための指針だ。この指針の内容を徹底するため、日本は数多くの安保関連法律を改定する必要がある。そのために、野党はこれは米国の需要と利益を日本の上に置いた、徹底的な対米従属であると批判している。
日本共産党の山下芳生書記局長は安保方案反対の集会で、日本はベトナム戦争、イラク戦争など、米国により発動された戦争を反省したことがなく、安保方案が日本に米国からの参戦の要請の断りを今後さらに不可能にさせるだろうと強調していた。山下芳生書記局長は、過去の侵略戦争も認めたがらない、このような歴史修正主義者の安倍首相が「戦争立法」を主導することは、明らかに一層の危険性を備えることになると更に指摘した。
1995年に発表された「村山談話」では、日本が当時国策の誤ちのせいで、植民地統治と侵略の道を歩んだと指摘している。山崎拓元自民党前幹事長は、最近多くの場面で、敗戦70年後の今日、日本は類似する「国策」の誤ちを二度と犯してはならない、と安倍首相や自民党に警告を発している。
(新華網日本語)
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