【新華社北京6月9日】日本の共同通信社は7日、日本の中谷元防衛大臣が企業経営者向けの情報誌『ニューリーダー』2013年8月号に集団的自衛権問題に関する意見を表明したと報じている。当時、自民党の副幹事長だった中谷氏は、ノンフィクション作家との対談で、次のように語っていた。「解釈のテクニック」を用いて民衆を騙したくない。「私は閣僚として『日本は集団的自衛権を行使できない』とすでに述べているので、『実は行使できる』と言うことができない。」
2002年7月、中谷元防衛大臣は国会答弁で、憲法第九条のもとで、自衛権の行使は最小範囲に制限されるべきであり、集団的自衛権の行使はその範囲を超えるもので、認められないと語っている。
また、中谷防衛大臣が憲法解釈の見直しによる集団的自衛権の行使解禁に反対する立場について、その著作『右でも左でもない政治―リベラルの旗』から手がかりを見出すことができる。中谷防衛大臣は「(憲法)解釈はすでに極限に達している。その解釈範囲を拡大し続けるとすれば、憲法の信頼性に疑念が生じる。」と記述している。
安倍内閣は先月14日、集団的自衛権行使、日米軍事一体化に関係する一連の安保法案を閣議決定した。それには、日本の自衛隊の役割の拡大などに関連している。新安保法案はその後、国会に提出して審議される。自民党と公明党の連立政権は、両党の参議院と衆議院で多数の議席を占める優位性を生かして、現在の国会会期中に新安保法案を採択することを望んでいる。
前後で一致しない立場の表明について、中谷防衛大臣本人は「自身の考えが変わった。」と弁明している。
中谷防衛大臣は5日、衆議院で民主党の辻元清美議員に自身の過去の発言について問われた際に、「集団的自衛権を行使する目的が 日本の護衛である限り、それは憲法の範囲内だ。」とする見解を示した。
一部のアナリストは、次のように指摘する。中谷防衛大臣は懸命に弁明しているが、前後で矛盾する発言によって、自民党は再び気まずい状況に置かれ、新安保法案が国会で審議され、採択されるまでの手順が先送りされるか、停滞する恐れがある。
また、ネットユーザーは次のような意見を示している。自民党は現在、2つの困難に陥っている。「本当に違憲でないと考えるならば、憲法第九条を改正する必要はないのではないか。違憲という観点が正しいならば、安保法案を審査する方法はない。どのように解釈するとしても、今後の行方は自民党にとって容易なことではない。」
(新華網日本語)
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