25日付英フィナンシャル タイムズ紙報道によると、ユーロの対ドル相場が過去最安値を更新したことから、ぜいたく品の欧州市場と中国市場における価格差が過去3年で最大となった。アナリストは、「同じぜいたく品を中国人消費者がパリに行って購入した場合、中国国内価格より39%安く買える。ちなみに去年の価格差は26%だった」と指摘した。環球時報が報じた。
欧州中央銀行(ECB)が1兆1千億ユーロ(約147兆円)規模となる量的緩和(QE)計画を提案したことから、ユーロの対ドル相場は、12年ぶりの安値を記録した。ぜいたく品の欧州市場価格は、これまでずっと中国より低かった。というのも、後者は輸入関税が商品価格に上乗せさせていたからだ。だが、ユーロ安がこのところ進んだせいで、アライアンス バーンスタイン証券の統計データによると、ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)の定番ハンドバッグ「スピーディ30」は、中国市場での販売価格がEU諸国より61%高くなった。
同じぜいたく品について、欧州市場とアジア市場の価格差は、30%から40%に上っている。たとえば、ルイ ヴィトンの某品番バッグは、欧州では2千ユーロ(約27万円)で変えるが、日本では3500ユーロ(約47万円)、中国では3050ユーロ(約41万円)している。全体的に見て、パリは、欧州のぜいたく品ブランドの価格基準となり得る都市だ。欧州著名ブランドの長財布が、イタリアでは260ユーロ(約3万5千円)で売られているが、北京国貿SKPマーケット(元 国貿新光天地)では4千元(約7万9千円)する。レート換算によると、欧州での販売価格は、中国国内価格のほぼ半額だ。
フランスの経済学者F Frelie氏は、次の通り指摘した。
価格差の拡大は、為替レート以外に、生産国の違いにも原因がある。ぜいたく品の多くは、欧州で生産されているため、中国に輸送する際の運賃や人件費など各種コストがかさむ。次に、国による税率の違いも原因のひとつだ。日本や中国などのアジア諸国は、ぜいたく品の輸入について、高い輸入税を課税している。さらに、外国人観光客が欧州諸国で買い物をする際には、VAT(付加価値税)の還付制度が適用され、スイスで約6%、フランスでは一律12%の税金が戻ってくる。
(人民網日本語版)
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