【新華社ベルリン1月28日】欧州のホロコースト(第二次世界大戦中のナチス・ドイツがユダヤ人などに対して組織的に行った大量虐殺を指す)記念碑(石碑群で構成する)は、ベルリン市の中心に位置し、ナチスドイツに虐殺されたすべてのユダヤ人を追悼する建物だ。2,711本の長短さまざまなグレーの碑柱で構成され、最も高いものは4.7メートル、最も低いものは50センチにも満たない。遠方から一望すると、グレーの石碑は、高さに起伏のある石林のようだ。
「歴史への反省は多くのドイツ人の魂の奥に深く刻まれている。たとえ記念碑を参観しないとしても、私はあの時代の歴史を反省している。ドイツの新聞でどんな報道を読んでも、さらには、ドイツの政治がどんな動きがあっても、ドイツ人の最も根本な認識は、あの時代の歴史を絶対に繰り返してはならないというものだ。」
ベルリン出身の29歳のフェリペ·スミスさんは、次のように説明した。歴史への反省がこれほどドイツ社会に深く根を下ろしているのは、1970年代にドイツ政府が推進した教育改革と切り離せない。あの時からナチスの歴史に対する反省がドイツ人学生の歴史の授業で取り上げられた。
ベルリンを例に挙げると、ドイツ人学生は小学五年生から第二次世界大戦の歴史を学び始め、高校卒業まで続く。授業内容は生徒の年齢層に合わせて、順序に沿って段階的に進行し、浅い内容から次第に掘り下げていく。
「教科書の知識を解説する以外に、歴史の教師は歴史を理解する主導権を生徒に委ねる。例えば、授業のグループ活動で、生徒たちは年齢に応じた多様な視点から第二次世界大戦の歴史を把握し、まさに異なる視点から見ることによって、ドイツ人学生はあの時代の歴史に対する模索において、常に活力に満ちている。」
1月27日の「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」の日に、多くのベルリンの学校は、収容所又は博物館で授業を行うため、生徒たちに近距離で歴史に触れさせる。「学校でなくても、ドイツのメディア、ドキュメンタリー、記念性の建物を通じて、大多数のドイツ人は依然として、歴史を反省する習慣を維持している。」
ドイツ人が歴史を反省する原因について、スミスさんは次のように述べた。ドイツは第二次世界大戦を発動した国だ。このため、ドイツ人は次世代にあの時代の「黒暗な」歴史について語り、世界の人々に歴史を忘れず、同じ過ちを繰り返さないように呼びかける責任がある。
「当然ながら、多数のドイツ人にとって、罪悪感を背負うことは容易なことではないが、同様に私たちは一種の誇りも感じている。なぜなら、私たちは犯した過ちを直視する勇気があるからだ。」スミスさんは、「私たちにとって、あの時代の歴史を忘れることは、過去に起こったすべてを否定することになる。」、「私たちが受け継ぐ必要があるのは罪悪感だけでなく、より重要なのは責任感だ。」と述べた。
(新華網日本語)
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