朔州市で見つかった元代壁画墓に描かれていた奉茶図。(資料写真、太原=新華社配信)
【新華社太原12月30日】中国の山西省考古研究院はこのほど、同省で見つかった元代壁画墓に関する情報を公開した。当時の葬儀習慣や社会生活を知るための貴重な資料になるという。
壁画墓は同省朔州市朔城区官地村の東南800メートルの地点で見つかった。穹窿式(きゅうりょうしき、ドーム型)天井を持つ擬木構造の単室磚室墓(せんしつぼ、れんが墓)で、平面は「凸」字型をしている。墓道と墓門、墓室からなり、全長は7・8メートル。盗掘を受けたことから緊急発掘調査が行われた。
山西省考古研究院華夏文明研究所の張光輝(ちょう・こうき)副所長によると、墓室の平面は八角形で、壁は青灰色のレンガを単層に積み重ね、石灰で接合されている。壁画は石灰で下地を作り、墨や彩墨などで描かれていた。
主な壁画は7幅あり、墓門の西側から時計回りに奉茶図、茶具図、山水屏風3幅、酒具図、備酒図と並ぶ。東壁に酒具、西壁に茶具という配置になっている。東南壁の備酒図には酒具を手に東壁方向に進む侍女4人、西南壁の奉茶図には茶具を手に西壁方向に向かう侍従4人が描かれており、北側の山水画3幅には、それぞれ二つの大山がそびえている。
これらの壁画は既に取り外され、朔州市の馬邑博物館で間もなく修復作業が開始される。作業が終わる来年には一般公開も予定している。(記者/王学濤)