28日、済南市の梁王遺跡で見つかった戦国時代の古城遺構で発掘作業をする考古スタッフ。(済南=新華社記者/王凱)
【新華社済南7月30日】中国山東省文物考古研究院はこのほど、同省済南市の梁王遺跡で実施していた発掘調査で、戦国時代の古城跡を発見したと明らかにした。同市の市街地でこれまで見つかった古城遺構の中で最も年代が古いという。
梁王遺跡は同市鮑山街道弁事処梁王荘三村の北東部にある。発掘チームを率いる董文斌(とう・ぶんひん)氏によると、現地では今年3月から高速道路建設に伴う遺跡の予備調査が行われており、このほど実施した調査で、堀の部分を含めた面積が約14万平方メートルの戦国時代の古城遺構を発見したという。
今回見つかった古城は戦国時代中後期のもので、予備調査と発掘調査の状況から、斉国が辺境地域に設けた防御用の軍事施設だったと考えられる。董氏は「梁王遺跡は北の済水と南の南部山区に挟まれた地区にある。黄河と鮑山からは約4キロ離れており、当時は軍事上の要衝だった」と語った。
城内からは筒瓦や平瓦、瓦当(がとう、筒瓦の先端部分)が出土しており、大型の建築物があったと考えられる。土器の甕(かめ)や盆(ぼん)、盤(ばん)など日用品の破片も多数見つかった。
梁王遺跡では蓮花文の瓦当、陶器や磁器、大型建築物の基礎など唐代の遺物や遺構も多く出土した。これらの遺物は、同遺跡が唐代にも繁栄していたことを説明している。(記者/孫暁輝)