【新華社北京7月3日】中国科学院青海チベット高原研究所の研究チームはこのほど、新たな計算方法を用いて同高原の湖水蒸発量が毎年約517億トンになるとの試算をまとめた。「アジアの給水塔」と呼ばれる同地域の湖水資源を正確に把握する参考データとなる。
青海チベット高原の湖水面積は5万平方キロ近くあり、中国の湖水総面積の5割以上を占める。研究者はこれまで、同地域の湖の海抜が高いことから、水分循環における大気との相互作用を観測することは少なかった。同じ湖でも異なる研究方法を用いて得られた蒸発量の数値は明らかに異なり、蒸発量の空間分布や総蒸発量についても解明されていなかった。
同研究所地気作用・気候変動チームの馬耀明(ば・ようめい)研究員らは今回、青海チベット高原の湖水の非結氷期におけるエネルギーバランスから得た合理的な仮説を基に、衛星リモートセンシング資料や中国の気象駆動データセット、青海チベット高原観測研究プラットフォームの観測資料を結合し、同地域の大型湖75カ所の結氷プロセスや湖水蒸発量の空間分布、湖水の総蒸発量などのデータを取得した。実測結果との対比では良好な一致性が示された。
今回の研究の成果は国際学術誌「サイエンス・アドバンス」に掲載された。
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