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「平民の英雄」たち、新型肺炎との闘いに多数のボランティアが参加
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2020-03-11 15:56:28 | 新華社 | 編集: 张一

2月29日、湖北省武漢市で、車内で情報を確認する病院に車で行けない妊婦らを送迎するボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

【新華社武漢3月11日】医師が新型コロナウイルスの感染者を救うために時間との闘いを続ける中、流行の中心地である中国湖北省武漢市では、さまざまな職業に就く「平民の英雄」たちが、その闘いに参加している。死者が出ている新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を防ぐために、同市の封鎖以降、医療支援から食料・日用品配送、カウンセリング、輸送、地域の奉仕活動に至るまで、多くのボランティアが迅速かつ慎重に活動している。

2月7日、湖北省武漢市の黄鶴楼付近で、拡声器を使って感染予防の情報を知らせるボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

▽10時間で1万人がボランティアに登録

2月3日、中国湖北省武漢市の共産主義青年団がネット上で初めてボランティアを募集すると、それから12時間以内に7千人以上が登録した。

同団体がこれまでに、食料品店や感染地域、感染者を受け入れている指定医療機関や仮設医療施設で、配達員や運転手、コーディネーターなどの役目を果たすために育成したボランティアは1万9155人に上る。

カウンセリング用のホットラインは6回線引かれ、専門的な訓練を受けた心理カウンセラー61人が24時間体制で市民のケアを行い、74人の弁護士がボランティアとして、交代で新型コロナウイルスに関する質問にオンラインで回答している。

2月23日に行われたボランティアの募集では、10時間で1万人が登録。合計7万人の応募者のうち2万4千人以上が市内の配送ボランティアとして採用された。

20代の楊雪(よう・せつ)さんは、友人たちと一緒にこれまで延べ800人以上の医師を車で病院や自宅に送迎し、500トン以上の物資を地元で配送してきた。

2月7日、湖北省武漢市で一人暮らしの高齢者に食料を届けるボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

輸送量が急増してきたため、物資や医薬品を提供する側も、武漢市内の目的地に期限内に配送できるように車を出している。

ある草の根組織は、6台のバスを連ねて30時間以上運転して武漢に着き、市内にある2か所の主要仮設医療施設に新鮮な果物30トンと卵10トンを送り届けた。ドライバーの一人、趙鵬飛(ちょう・ほうひ)さんは「この食料は、病気と闘っている人たちに対する、私たちの応援の気持ちを込めたささやかな贈り物です」と語った。

国外からの支援の通関手続きを円滑に進めるために、300人以上の大学生や医療従事者、プロの翻訳者がチームを組み、さまざまな文書や通知を英語や日本語、韓国語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベトナム語などに翻訳。他国からの寄付の調整や配送の円滑化に積極的に参加している。

中国のIT大手、聯想集団(レノボ)の武漢支社で働くパキスタン人の男性エンジニアは、諸外国と関わるプロジェクトを調整し、英語とウルドゥー語の通関書類を翻訳するボランティアに参加。「必要とされる間は、喜んで手伝います」と語った。

新型コロナウイルスに感染した後で回復した人々に対し、重症患者の治療に使う血漿の提供を全国的に呼び掛けたことから、市内にある拠点病院、金銀潭医院では、血漿の提供件数が増えている。

2月18日、湖北省武漢市の金銀潭医院で、新型コロナウイルスに感染した後に回復し、血漿を提供する女性。(武漢=新華社配信)

▽ソーシャルワーカーの専門チームも

中国では、経済や社会が急速に発展したこともあり、この数十年間でボランティアの数が増えている。統計では、武漢市だけでも市民の14%に当たる150万人がボランティアに登録している。

新型肺炎の流行で苦境にある人々を支援するため、多くのソーシャルワーカーもいち早く立ち上がった。

武漢大学でソーシャルワークを教える郁之虹(いく・しこう)教授は、同僚や学生に呼び掛け、ソーシャルワーカーのチームを組織した。地元に根差した郁氏のグループは200人にまで増え、最大で500人の人材を擁している。

これまでのところ、対象を絞った持続的なシステムを構築するのが効率的なやり方となっている。このシステムによって、ソーシャルワーカーは心理的資源や医療資源と結び付くことができ、「地域ベースでより多くの市民にサービスを提供できる」と郁氏は述べた。

2月28日、武漢大学の郁之虹教授が動員したソーシャルワーカーのボランティアチーム。(武漢=新華社配信)

交差感染のリスクを最小限に抑えるために、郁氏の団体は5人1組のチームをつくり、ソーシャルメディアを利用して調整しながら活動している。1チームのメンバーは、地元と病院、患者が隔離されている指定地域に拠点を置くソーシャルワーカー2人と、配送、医療支援、カウンセリングをオンラインで行っているボランティア3人だ。

郁氏の団体は、社会支援や生活支援、心理ケアの需要にソーシャルワークが応えられる形を推進しようとしている。郁氏は「ソーシャルワークは、最重要課題を優先する政府を補完する形で、より多くの個人の需要に対処している」と述べ、「何より人道的配慮を重視している」と、ソーシャルワークの重要性を訴えた。

2月9日、湖北省武漢市の江岸区で消毒作業を行うボランティア。(武漢=新華社記者/程敏)

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新華網日本語

「平民の英雄」たち、新型肺炎との闘いに多数のボランティアが参加

新華網日本語 2020-03-11 15:56:28

2月29日、湖北省武漢市で、車内で情報を確認する病院に車で行けない妊婦らを送迎するボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

【新華社武漢3月11日】医師が新型コロナウイルスの感染者を救うために時間との闘いを続ける中、流行の中心地である中国湖北省武漢市では、さまざまな職業に就く「平民の英雄」たちが、その闘いに参加している。死者が出ている新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を防ぐために、同市の封鎖以降、医療支援から食料・日用品配送、カウンセリング、輸送、地域の奉仕活動に至るまで、多くのボランティアが迅速かつ慎重に活動している。

2月7日、湖北省武漢市の黄鶴楼付近で、拡声器を使って感染予防の情報を知らせるボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

▽10時間で1万人がボランティアに登録

2月3日、中国湖北省武漢市の共産主義青年団がネット上で初めてボランティアを募集すると、それから12時間以内に7千人以上が登録した。

同団体がこれまでに、食料品店や感染地域、感染者を受け入れている指定医療機関や仮設医療施設で、配達員や運転手、コーディネーターなどの役目を果たすために育成したボランティアは1万9155人に上る。

カウンセリング用のホットラインは6回線引かれ、専門的な訓練を受けた心理カウンセラー61人が24時間体制で市民のケアを行い、74人の弁護士がボランティアとして、交代で新型コロナウイルスに関する質問にオンラインで回答している。

2月23日に行われたボランティアの募集では、10時間で1万人が登録。合計7万人の応募者のうち2万4千人以上が市内の配送ボランティアとして採用された。

20代の楊雪(よう・せつ)さんは、友人たちと一緒にこれまで延べ800人以上の医師を車で病院や自宅に送迎し、500トン以上の物資を地元で配送してきた。

2月7日、湖北省武漢市で一人暮らしの高齢者に食料を届けるボランティア。(武漢=新華社記者/肖芸九)

輸送量が急増してきたため、物資や医薬品を提供する側も、武漢市内の目的地に期限内に配送できるように車を出している。

ある草の根組織は、6台のバスを連ねて30時間以上運転して武漢に着き、市内にある2か所の主要仮設医療施設に新鮮な果物30トンと卵10トンを送り届けた。ドライバーの一人、趙鵬飛(ちょう・ほうひ)さんは「この食料は、病気と闘っている人たちに対する、私たちの応援の気持ちを込めたささやかな贈り物です」と語った。

国外からの支援の通関手続きを円滑に進めるために、300人以上の大学生や医療従事者、プロの翻訳者がチームを組み、さまざまな文書や通知を英語や日本語、韓国語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ベトナム語などに翻訳。他国からの寄付の調整や配送の円滑化に積極的に参加している。

中国のIT大手、聯想集団(レノボ)の武漢支社で働くパキスタン人の男性エンジニアは、諸外国と関わるプロジェクトを調整し、英語とウルドゥー語の通関書類を翻訳するボランティアに参加。「必要とされる間は、喜んで手伝います」と語った。

新型コロナウイルスに感染した後で回復した人々に対し、重症患者の治療に使う血漿の提供を全国的に呼び掛けたことから、市内にある拠点病院、金銀潭医院では、血漿の提供件数が増えている。

2月18日、湖北省武漢市の金銀潭医院で、新型コロナウイルスに感染した後に回復し、血漿を提供する女性。(武漢=新華社配信)

▽ソーシャルワーカーの専門チームも

中国では、経済や社会が急速に発展したこともあり、この数十年間でボランティアの数が増えている。統計では、武漢市だけでも市民の14%に当たる150万人がボランティアに登録している。

新型肺炎の流行で苦境にある人々を支援するため、多くのソーシャルワーカーもいち早く立ち上がった。

武漢大学でソーシャルワークを教える郁之虹(いく・しこう)教授は、同僚や学生に呼び掛け、ソーシャルワーカーのチームを組織した。地元に根差した郁氏のグループは200人にまで増え、最大で500人の人材を擁している。

これまでのところ、対象を絞った持続的なシステムを構築するのが効率的なやり方となっている。このシステムによって、ソーシャルワーカーは心理的資源や医療資源と結び付くことができ、「地域ベースでより多くの市民にサービスを提供できる」と郁氏は述べた。

2月28日、武漢大学の郁之虹教授が動員したソーシャルワーカーのボランティアチーム。(武漢=新華社配信)

交差感染のリスクを最小限に抑えるために、郁氏の団体は5人1組のチームをつくり、ソーシャルメディアを利用して調整しながら活動している。1チームのメンバーは、地元と病院、患者が隔離されている指定地域に拠点を置くソーシャルワーカー2人と、配送、医療支援、カウンセリングをオンラインで行っているボランティア3人だ。

郁氏の団体は、社会支援や生活支援、心理ケアの需要にソーシャルワークが応えられる形を推進しようとしている。郁氏は「ソーシャルワークは、最重要課題を優先する政府を補完する形で、より多くの個人の需要に対処している」と述べ、「何より人道的配慮を重視している」と、ソーシャルワークの重要性を訴えた。

2月9日、湖北省武漢市の江岸区で消毒作業を行うボランティア。(武漢=新華社記者/程敏)

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