9日、マレーシアでマスクを着用して歩く人々。(クアラルンプール=新華社配信/張紋綜)
【新華社北京3月11日】新型コロナウイルス感染症が流行している国と地域の大半で気候が暖かくなってきている中、流行は4月になれば「消えてなくなる」との臆測が飛び交っているが、世界保健機関(WHO)と一部の専門家らは、そうした判断をするのは時期尚早だとしている。
ウイルスの中には季節性のものもあるが、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスが季節性であるかどうかはまだ明らかになっていない。疫学の専門家らは、気候が暖かくなってきたら流行は収まるとの予測にくぎを刺している。
米コロンビア大学の疫学専門家、スティーブン・モース氏は、2月中旬に米独立系政治サイト「FactCheck.org」への寄稿記事で、「このウイルスが季節性であるかどうかは分からない。このウイルスは未経験のものだからだ」と指摘。「季節性ウイルスになる可能性はあるが、判断するのは時期尚早だ」と述べている。
スイス・ジュネーブで記者会見を行うWHO健康危機管理プログラムのマイケル・ライアン氏(左)。(2月18日撮影、ジュネーブ=新華社記者/陳俊侠)
同記事によると、新型コロナウイルスの活動が4月までに低下するかどうかは、ウイルスの拡散の程度や、封じ込め対策などの要因によって左右される。
米ハーバード大学の疫学専門家、マーク・リップシッチ氏は、気象条件の変化で新型コロナウイルスの拡散が大きく変わるとは考えていない。
リップシッチ氏はナショナルジオグラフィックのウェブサイトに掲載された科学記事で、「新型コロナウイルス感染症については現在、世界各地で報告が記録されている。このウイルスが一般的なインフルエンザウイルスと同様なら、季節が変われば、南半球で広がっていく可能性がある」と指摘している。
今月6日、WHO健康危機管理プログラムの統括責任者マイケル・ライアン氏は、スイス・ジュネーブのWHO本部での定例会見で、新型コロナウイルス感染症が夏に収まる証拠は今のところないと述べた。
「このウイルスが異なる気候条件でどのように活動するかはまだ分かっていない」として、インフルエンザウイルスのように夏場に自然消滅するとの見方を戒め、「ウイルスの拡散能力は持続するという前提で考えなければならない」と述べた。
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