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中国経済への影響、国際社会は楽観 新型肺炎
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2020-02-20 13:56:29 | 新華社 | 編集: 张一

12日、重慶市の中仏合弁会社の仏吉亜(重慶)自動車部品有限公司の作業場で働く従業員。(重慶=新華社記者/唐奕)

【新華社北京2月20日】新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大により、中国で取られた春節(旧正月)の休暇延長措置は、人や物の往来やビジネス活動を鈍化させた。

ウイルス流行を食い止めるための厳格で包括的な政策が時宜を得て実施されている一方で、中国は企業支援のための政策パッケージを発表した。多くの国々のアナリストやビジネス関係者らは、長期的に見れば中国経済にダメージはないと確信している。

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は今月3日、IMFはウイルス流行に対する中国の取り組みを支持しており、中国経済には「依然として回復力がある」と確信していると、ツイッターに投稿した。

▽生産再開

多くの省では10日に工場の稼働が再開し、交通網の利用者が増加したほか、卸売店やスーパーマーケットも通常の営業時間に戻った。製造業では、ウイルスのさらなる拡散を防ぐ措置が取られた上で、生産が再開された。

国務院国有資産監督管理委員会によると、中央政府が管理する国営企業96社の下請け2万3千社のうち、稼働再開の延期を地元政府から要請された企業を除く80%以上が12日に生産を再開したという。

12日までに営業を再開した企業は、電力関連分野では83%で、石油・石油化学工業分野では96・8%に達した。一方、関連する大規模国家プロジェクトに関しても、適切な方法で再び前進し始めたと、同委員会は述べている。

行政政策により、企業に対する時宜を得た支援が行われている。中国人民銀行(中央銀行)は10日、感染拡大の抑制に直結する事業を支援する目的で、政策銀行や商業銀行に対し、優遇金利で総額3千億元(1元=約16円)の特別融資を行うと発表した。

財政当局も小規模企業を支援するため、物流サービスや金融支援の提供といったさまざまな施策を行っている。これらは、労働市場の下支えや経済の活力維持のための大きな支援となる。

金融市場においては、流動性向上と市場の期待安定化を図るため、中国人民銀行が金融システムに総額17兆元を追加投資した。

エール大学ジャクソン国際情勢研究所で上級研究員を務めるスティーブン・ローチ氏は、「中国経済の展望に対し、非常に楽観的」であり、「財政・金融刺激策の機会は多数ある」と見解を示している。

14日、山東省濰坊市にある農業パークで働く従業員。(済南=新華社記者/郭緒雷)

16日、河南省鄭州市の駅から欧州に向けて出発する貨物列車。(鄭州=新華社記者/李安)

▽影響は一時的

専門家らは、感染拡大が中国に経済的衝撃を与えることに留意しつつも、世界第2位の経済大国には短期的な衝撃を和らげ、安定的な成長を維持する余地が残されていると確信している。

スイス大手UBSのエコノミストは11日、調査報告書で「コロナウイルスは単発的な負の衝撃であり、中国経済の長期的成長軌道を修正するものではない」とし、「ウイルス流行が収束し、経済活動が正常化すれば、抑制されていた需要が復活し、ビジネスは回復すると推測される」と述べている。

フランクフルト金融経営大学のホルスト・レイケル教授(経済学)は、ウイルス流行は中国経済に短期的な影響を与えるかもしれないが、長期的な国外投資に影響は与えないだろうと話す。

企業の合併・買収(M&A)や外国直接投資、未公開株式投資などのビジネス活動は、実体経済に関連しており、現在のウイルス流行はこうした投資の背後にある長期的力強さに影響を与えることはないだろうと、レイケル氏は語っている。

米シカゴ・イリノイ工科大学のケアリー・ターク教授(経済学)は、取材に対して「中国経済について肯定的なことは、既にデジタル経済が発展済みだということだ」とコメント。同氏の見解は、最近中国全土に見られる「家庭主体の経済」の流行を反映している。

インターネットを使った教育や医療の提供、eコマース、在宅ワークなどが増加し、中国の大手IT企業、騰訊控股(テンセント)は、最近の需要の高まりに応えて、ライブストリーミングやオンラインでの会議サービスを向上させており、ターク氏は「中国人はとても独創的で、感染拡大の影響を抑制するためさまざまな措置を講じている」「この国は、危機に対処するべく正しい方向へ進んでいる」と述べた。

12日、中国北西部甘粛省蘭州にある蘭州石化(石油化学)公司で、フォークリフトで医療用ポリプロピレン素材を運ぶ従業員。(蘭州=新華社記者/陳斌)

14日、北京市にあるスーパー「盒馬鮮生」で、オンライン注文を受けた商品を手にするスタッフ。(北京=新華社記者/鞠煥宗)

▽世界的な需要は堅調

消費経済の進展と経済構造全体におけるサービス分野の比率上昇という中国経済の長期的傾向は、今後も続くとUBSのエコノミストらは見ており、企業の巨大市場開拓への関心は衰えていない。

米中貿易全国委員会の広報担当上級ディレクター、ダグ・バリー氏は、「中国は国際貿易システムにおいて重要な役割を果たしている。その役割は今後変化するだろうが、中国依存は変わらないだろう」と話し、米実業界は中国に対して「強気のまま」だと続けた。

バリー氏は、「長期的展望を持つ人々は、中国経済は他の大半の市場よりも速いスピードで成長し続け、特に中国の消費者がその成長をけん引すると確信している」「企業は中国で事業を行うことを望んでいるし、そうしなければならない」と述べた。

食品の輸出とマーケティングを手掛ける企業、アブソリュート・アドバンテージのコリン・レインスフォース氏は、英企業はEU離脱後、中国市場のポテンシャルに目を向けるべきだとし、中国は急成長中の巨大市場であり、高品質の商品に関心の高い中間層の数も増加していると述べた。

経済的影響を抑えるための中国の時宜を得た断固とした政策は、「中国と世界経済の双方に利益をもたらす」と同氏は述べ、コロナウイルスを理由に中国を孤立させることは「解決策にはならず、世界貿易へのさらなる障害を作り出すだけだ」と続けた。

ターク教授は、この病気と闘うための世界的努力を呼びかけており、「生死にかかわる緊急事態では、国家間の協力を妨げるものはなにもない。健康な中国は、世界経済の健康を意味する」と語った。

10日、河北省邯鄲市で、オンライン講座を自宅で受講する学生。(石家荘=新華社配信)

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中国経済への影響、国際社会は楽観 新型肺炎

新華網日本語 2020-02-20 13:56:29

12日、重慶市の中仏合弁会社の仏吉亜(重慶)自動車部品有限公司の作業場で働く従業員。(重慶=新華社記者/唐奕)

【新華社北京2月20日】新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大により、中国で取られた春節(旧正月)の休暇延長措置は、人や物の往来やビジネス活動を鈍化させた。

ウイルス流行を食い止めるための厳格で包括的な政策が時宜を得て実施されている一方で、中国は企業支援のための政策パッケージを発表した。多くの国々のアナリストやビジネス関係者らは、長期的に見れば中国経済にダメージはないと確信している。

国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は今月3日、IMFはウイルス流行に対する中国の取り組みを支持しており、中国経済には「依然として回復力がある」と確信していると、ツイッターに投稿した。

▽生産再開

多くの省では10日に工場の稼働が再開し、交通網の利用者が増加したほか、卸売店やスーパーマーケットも通常の営業時間に戻った。製造業では、ウイルスのさらなる拡散を防ぐ措置が取られた上で、生産が再開された。

国務院国有資産監督管理委員会によると、中央政府が管理する国営企業96社の下請け2万3千社のうち、稼働再開の延期を地元政府から要請された企業を除く80%以上が12日に生産を再開したという。

12日までに営業を再開した企業は、電力関連分野では83%で、石油・石油化学工業分野では96・8%に達した。一方、関連する大規模国家プロジェクトに関しても、適切な方法で再び前進し始めたと、同委員会は述べている。

行政政策により、企業に対する時宜を得た支援が行われている。中国人民銀行(中央銀行)は10日、感染拡大の抑制に直結する事業を支援する目的で、政策銀行や商業銀行に対し、優遇金利で総額3千億元(1元=約16円)の特別融資を行うと発表した。

財政当局も小規模企業を支援するため、物流サービスや金融支援の提供といったさまざまな施策を行っている。これらは、労働市場の下支えや経済の活力維持のための大きな支援となる。

金融市場においては、流動性向上と市場の期待安定化を図るため、中国人民銀行が金融システムに総額17兆元を追加投資した。

エール大学ジャクソン国際情勢研究所で上級研究員を務めるスティーブン・ローチ氏は、「中国経済の展望に対し、非常に楽観的」であり、「財政・金融刺激策の機会は多数ある」と見解を示している。

14日、山東省濰坊市にある農業パークで働く従業員。(済南=新華社記者/郭緒雷)

16日、河南省鄭州市の駅から欧州に向けて出発する貨物列車。(鄭州=新華社記者/李安)

▽影響は一時的

専門家らは、感染拡大が中国に経済的衝撃を与えることに留意しつつも、世界第2位の経済大国には短期的な衝撃を和らげ、安定的な成長を維持する余地が残されていると確信している。

スイス大手UBSのエコノミストは11日、調査報告書で「コロナウイルスは単発的な負の衝撃であり、中国経済の長期的成長軌道を修正するものではない」とし、「ウイルス流行が収束し、経済活動が正常化すれば、抑制されていた需要が復活し、ビジネスは回復すると推測される」と述べている。

フランクフルト金融経営大学のホルスト・レイケル教授(経済学)は、ウイルス流行は中国経済に短期的な影響を与えるかもしれないが、長期的な国外投資に影響は与えないだろうと話す。

企業の合併・買収(M&A)や外国直接投資、未公開株式投資などのビジネス活動は、実体経済に関連しており、現在のウイルス流行はこうした投資の背後にある長期的力強さに影響を与えることはないだろうと、レイケル氏は語っている。

米シカゴ・イリノイ工科大学のケアリー・ターク教授(経済学)は、取材に対して「中国経済について肯定的なことは、既にデジタル経済が発展済みだということだ」とコメント。同氏の見解は、最近中国全土に見られる「家庭主体の経済」の流行を反映している。

インターネットを使った教育や医療の提供、eコマース、在宅ワークなどが増加し、中国の大手IT企業、騰訊控股(テンセント)は、最近の需要の高まりに応えて、ライブストリーミングやオンラインでの会議サービスを向上させており、ターク氏は「中国人はとても独創的で、感染拡大の影響を抑制するためさまざまな措置を講じている」「この国は、危機に対処するべく正しい方向へ進んでいる」と述べた。

12日、中国北西部甘粛省蘭州にある蘭州石化(石油化学)公司で、フォークリフトで医療用ポリプロピレン素材を運ぶ従業員。(蘭州=新華社記者/陳斌)

14日、北京市にあるスーパー「盒馬鮮生」で、オンライン注文を受けた商品を手にするスタッフ。(北京=新華社記者/鞠煥宗)

▽世界的な需要は堅調

消費経済の進展と経済構造全体におけるサービス分野の比率上昇という中国経済の長期的傾向は、今後も続くとUBSのエコノミストらは見ており、企業の巨大市場開拓への関心は衰えていない。

米中貿易全国委員会の広報担当上級ディレクター、ダグ・バリー氏は、「中国は国際貿易システムにおいて重要な役割を果たしている。その役割は今後変化するだろうが、中国依存は変わらないだろう」と話し、米実業界は中国に対して「強気のまま」だと続けた。

バリー氏は、「長期的展望を持つ人々は、中国経済は他の大半の市場よりも速いスピードで成長し続け、特に中国の消費者がその成長をけん引すると確信している」「企業は中国で事業を行うことを望んでいるし、そうしなければならない」と述べた。

食品の輸出とマーケティングを手掛ける企業、アブソリュート・アドバンテージのコリン・レインスフォース氏は、英企業はEU離脱後、中国市場のポテンシャルに目を向けるべきだとし、中国は急成長中の巨大市場であり、高品質の商品に関心の高い中間層の数も増加していると述べた。

経済的影響を抑えるための中国の時宜を得た断固とした政策は、「中国と世界経済の双方に利益をもたらす」と同氏は述べ、コロナウイルスを理由に中国を孤立させることは「解決策にはならず、世界貿易へのさらなる障害を作り出すだけだ」と続けた。

ターク教授は、この病気と闘うための世界的努力を呼びかけており、「生死にかかわる緊急事態では、国家間の協力を妨げるものはなにもない。健康な中国は、世界経済の健康を意味する」と語った。

10日、河北省邯鄲市で、オンライン講座を自宅で受講する学生。(石家荘=新華社配信)

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