【新華社上海1月2日】サプライチェーンのセキュリティ重視に伴い、中国の半導体産業は発展の好機を迎えている。半導体設計業界の産業集積度が高まり大手の実力が強まる一方、多くの公共サービスプラットフォームの誕生により中小設計企業のイノベーションハードルが引き下げられた。
中国半導体業界協会設計分会の統計によると、中国の半導体設計企業は2019年、好調な勢いを示した。売上高は成長を維持し、18年比19・7%増の3084億9千万元(1元=約16円)を見込む。設計分会の魏少軍(ぎ・しょうぐん)理事長も「初めて3千億元の大台を突破する」と意気込む。企業数では、11月末時点で前年同月比4・8%増の1780社となった。
業界の発展の質も向上した。一つは産業集積度。19年は中国の半導体設計企業上位10社の売上高が1558億元と業界全体に占める割合が前年同期の40・21%から50・1%に拡大した。魏氏は「業界にとって意義がある。これまでの集積度の低下局面を挽回した」と語る。業界関係者も低中レベルが中心で高性能汎用チップでの功績が少なかったこれまでの中国半導体製品が、集積化により「難題」を克服できるようになると指摘する。
もう一つは、多くの公共サービスプラットフォームの誕生による中小設計企業のイノベーションハードルの引き下げ。12月中旬に開かれた2019中国(珠海)集積回路(IC)産業サミットでは、広東省珠海市政府と中国科学院上海微系統・情報技術研究所が先進的なICの研究機関「珠海先進集成電路創新研究院」を合同で設立。上海新微科技集団や格力集団、珠海大横琴投資が株主に名を連ねた。
同研究院の董業民(とう・ぎょうみん)院長は、研究院が中小設計企業に検証済みのIC機能設計モジュールを提供するなど多方面のサービスを統合すると説明。格力集団との提携については、実際の市場需要で半導体設計を導くのが目的と語った。
統計によると、半導体設計企業のうち従業員が100人未満の小規模・零細企業は現在、1576社と全体の88・5%を占めている。
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