12日、上海市虹橋駅付近にあるMUJI虹橋天地店。(上海=新華社記者/許暁青)
【新華社北京3月13日】日本の良品計画が1月に発表した2018年3~11月期決算によると、中国市場での売上高が前年同期比9%減となった。早い時期から他社に先駆け中国へ進出し、市民から熱烈な支持を得た「中間層の必需品」に衰退の兆しが見えている。同社に一体何が起こっているのだろうか。
▽繁栄から衰退
同社の財務資料によると、2016年2月期決算の中国市場の比較対象売上は前年比20・4%増と2015年度の14・5%増、2014年度の14・3%増を大きく上回った。既存店の堅調な成長と新規出店により、2016年2月期決算の中国市場の売上高は人民元ベースで45・7%増の大躍進となった。
しかし、その後状況は一転し、2017年1月に発表した2016年3~11月期決算では、中国市場で比較対象売上はわずか0・8%増にとどまった。
投資コンサルティング機関「No Agency」創始者の唐小唐(とう・しょうとう)氏はこの現象について、無印良品のターゲットである中間層の縮小が主な要因と指摘する。中国に1億人以上いるとされる中間層の消費範囲は広く、実際に同社の店舗を訪れる客はそのうちの10%程度だとし、しかもこの層の消費行動は経済や株式市場の影響を受けやすいとの見方を示した。最新の四半期決算資料によれば、中国での業績低迷はすでに2年続いており、楽観を許さない状況だという。
▽すでに「中間層の必需品」ではなくなった
無印良品は中国市場進出後に戦略を変え、ミドルエンドからハイエンドの生活ブランドとして、多くの「文芸青年」と呼ばれるサブカル志向の若者や中間層消費者から評価されるブランドへと成長した。2018年初めにおいても、無印良品は新中間層から最も人気を集める生活空間ブランドの一つとされていた。同社は2017年8月、秋冬シーズンから新価格を導入すると発表。中国市場で7度目の価格変更となった。しかし2017年度の業績は、既存店売上が4・6%増と前年度の4・7%増を下回り、2015年度の20%増と比べれば程遠い結果となった。
品質的にミドルエンド・ハイエンドのイメージを確立した後、数度にわたり値下げしたことが市場のポジショニングとの不一致をもたらし、中心購買層となる中間層の支持離れを引き起こしたとする見方もある。