10日、三亜港に入港した科学調査船「探索1号」。(三亜=新華社記者/郭程)
【新華社三亜3月11日】中国初の南西インド洋と中央インド洋をカバーする深海科学調査を終え、有人潜水艇「深海勇士」を載せた科学調査船「探索1号」が10日、海南省三亜市の母港に帰港した。
今回の深海科学調査航海は昨年11月10日に始まり、121日間で航行距離は1万7千カイリ以上に及んだ。「深海勇士」は今回、海況が悪く海底の地質環境も複雑な南西インド洋と中央インド洋の熱水地帯で、計62回の潜水作業を行った。うち12月に南西インド洋で実施した潜水作業は25回に上り、中国の有人深海潜水史における単月の潜水作業回数で新記録を打ち立てた。厳しい海況を有する南西インド洋偏西風地帯では、連続15回の潜水作業を成し遂げ、4~9メートルの高い波の中、無事回収された。夜間の投下や回収を複数回成功させ、緊急時の連続潜水能力を備えた。
「深海勇士」は地質環境が複雑で変化の激しい熱水地帯の海底で、原位置監視測定設備の水中配置と回収を何度も行い、海底で見失った水中ブイの追跡にも成功した。国産深海イメージングソナーと深度1万メートル級ロボットアーム2台の海底試験も成功し、水中での探索や救助作業、深海での試験能力の精度の高さが証明された。一連の成果と新データは中国の有人深海潜水史に新たな歴史を書き加えた。今回の航海の成功は、中国の有人深海潜水の運用・維持能力が大幅に向上し、世界先進レベルに達したことを示している。(記者/周正平)