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より積極的な財政政策で中国経済を長期かつ安定的に支える-劉昆財政部長、経済の注目問題を語る
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-10-08 13:35:01 | 新華社 | 編集: 郭丹

(权威访谈:聚焦“六稳” 办好自己的事·图文互动)以更积极的财政政策护航中国经济行稳致远——财政部部长刘昆回应经济热点问题 

取材に応じる劉昆財政部部長。(北京=新華社記者/陳曄華)

【新華社北京10月8日】中国経済は今年以降、複雑かつ目まぐるしく変化する国内外の情勢の中、全体的には「穏中向好」(安定の中で良い方向に向かう)の局面を維持しているが、少なからぬ困難や課題に直面している。

 中国経済という列車を無事に遠くまで走らせるための重要な前提条件の一つとして、安定的で予測可能なマクロ環境の構築が挙げられる。現在の財政政策の積極性をいかにより高めていくか。減税や費用負担軽減をいかに企業の満足感に結びつけるか。社会の注目を集めるこれらの問題について中国財政部の劉昆(りゅう・こん)部長がこのほど新華社記者の取材に応じた。

 ▽積極的な財政政策は「ばらまき型」の強い刺激策ではない

 経済の減速圧力を受け、中央政府は積極的な財政政策をさらに積極的に行うことを明確に表明している。

 劉昆氏は、今年の積極的な財政政策の効果は執行状況から見て、大幅減税や費用負担軽減のほか、債券発行の加速や予算執行の迅速化にも表れていると述べ、地方政府のより迅速な資金活用を保障し、早急に効果をもたらすとの見方を示した。

 データによれば、地方政府が9月26日までに新規発行した一般債券はすでに年間計画の91・8%、特定債券も85%をそれぞれ達成している。前半8カ月の全国財政支出は予算の67%を達成し、9月の進捗状況も引き続き加速している。

 劉昆氏は、積極的な財政政策のさらなる積極化は、決して「ばらまき型」の強い刺激策ではなく、政策の予測性や弾力性、有効性を高め、内需拡大と構造調整でより大きな役割を発揮させ、質の高い経済成長を促進するものだとし、積極的な財政政策の次なる段階は、以下の4つの方面に力点を置くと表明した。

 ①負担軽減の強化。現行の減税・費用負担軽減政策を全面的に実施するとともに、より大規模な減税やより顕著な費用負担軽減措置を早急に策定し、真の意味で企業の負担を減らし、成長発展を後押しする。

 ②弱点の補強。中央政府が定めた重大プロジェクト建設を強力に支持し、経済社会発展での脆弱部分を強化する。

 ③消費の促進。市民の消費能力向上につながる収入分配制度の整備を進め、個人所得税特別付帯控除プランやその他の政策に対する検討と論証を深め、市民の収入を増やし、その消費潜在力を刺激する。

 ④政府の支出を抑え民を富ます。政府は節約を第一とし、余剰資金は民生保障の支出に回し、庶民のために用い、人民によい生活を送らせる。

 ▽年間を通じた減税・費用負担軽減の規模は1兆3千億元を超える

 継続的な減税・費用負担軽減に力を入れる中、今年前半の財政収入の伸び率が国内総生産(GDP)の伸び率を上回ったことが世論の注目を集めている。

 劉昆氏は、積極的な財政政策の実施により、今年の減税・費用負担軽減はさらに力が強まると語る。年初に確定した年間の減税・費用負担軽減の総額1兆1千億元(1元=約17円)の政策措置に加え、実体経済成長促進や科学技術イノベーション支援などの一連の施策を打ち出したことで、年間規模は1兆3千億元を超える見通しを示した。

 財政部のデータによれば、全国一般公共予算収入は今年第1四半期の前年同期比13・6%増から上半期で10・6%、さらに前半8カ月で9・4%まで下がり、年初に急速に増加した後に伸びが徐々に低下する形となっている。

 劉昆氏は「年初の予算編成時の時点で今年前半の財政収入が一定の速度を保ちながら増加し、後半には増加のペースが鈍ることはすでに織り込み済み」と語る。

 世論の注目に対して劉昆氏は、国際的な基準に照らしても中国のマクロの税負担は決して高いレベルではないと指摘。「国際通貨基金(IMF)のデータでは2015年のわが国のマクロの税負担は29%で世界各国の平均水準は36・8%。2016年は28・2%、2017年は27・2%と2年連続で減少している」と述べた。

 一方で劉昆氏は、GDPと財政収入の増加率の計算方法が違うことに留意すべきと語る。GDPの伸び率は実質値であるのに対し、財政収入の伸び率は名目値で、直接比較することは出来ないと述べ、例えば2017年のGDPの伸び率は6・9%だが、名目値での伸び率は11・2%と7・4%の財政収入の伸び率より4ポイント近く高いと指摘。今年上半期のGDP伸び率は6・8%で、名目値は10%、財政収入の伸び率が10・6%だが、7月と8月の財政収入の伸び率はすでに6・1%と4%に低下しており、通年では財政収入の伸び率がGDPの伸び率の名目値を下回る見込みであると説明した。

 劉昆氏はまた、減税政策の効果が表れるには一定の時間が必要であることを強調。一部の業種では増値税の税率が5月1日から引き下げられたが、国内増値税の1月から5月の平均増加率は19・5%で、6月から徐々に下降し、8月には2・1%まで低下したと述べ「時間が経てば、企業の減税・費用負担軽減効果に対する実感は徐々に高まるだろう」と語った。

 劉昆氏さらに「さらなる大規模減税と顕著な費用負担軽減策を検討している」と述べ、関連政策の実施に伴い、今後数カ月の財政収入の伸び率は低迷するとしながらも、税負担がさらに軽減される中で、年間の財政収入は年度予算額を達成できる見込みで、若干の収入超過になる可能性もあると表明した。

 ▽重点領域と重要段階への取り組みを拡大

 減税と支出増加は、積極的な財政政策が瞬発力を発揮するうえでの2大手段といえる。  

 劉昆氏は、中央財政は今年、積極的に支出構成の最適化を進めており、一般支出を厳しく抑制、「三公」経費(海外出張費、公用車購入・維持費、公務としての接待費)管理を強化し、重点領域と重要段階への取り組みを拡大していると述べた。

 地域経済均衡発展の促進では、今年の中央政府の地方への一般移転支出は10・9%増の3兆9千億元と近年で伸び幅が最も高い一年となった。資金配分の重点を財政的に厳しい中西部などの地域に置くことで、これら地域の財政保障能力を増強し、基本公共サービスの均等化を進めている。

 三大難関攻略戦では、中央政府の貧困対策金は今年大幅に増加した。前年同期比23・2%増となる1061億元を計上し、増加分は主に「三区三州」(注)など深刻な貧困問題を抱える地域へ分配された。大気や水、土壌の汚染対策資金も405億元と近年で最高額となった。

 基本民生経費保障の強化では、中央政府は今年、就職補助金に469億元、基礎年金移転に6697億元、困難群衆救助補助金に1396億元などを手配し、社会保障の向上と民生レベルの改善を行っている。

 重点領域の取り組み強化について劉昆氏は、中央政府がこれまで地方のインフラ建設支出に年初予算の94・2%にあたる累計4094億元をすでに計上しており、イノベーション駆動と生体環境保護などの分野のインフラ建設に充て、経済が引き続き健全に発展するよう進めていると語る。

 支出拡大を進めるほか、いかに必要とされる場所に資金を用いるかという点も積極的な財政政策の効果に影響する。

 このほど発表された「予算実績管理の全面実施に関する中国共産党中央委員会と国務院による意見」では、予算実績管理の全面実施の今後の目標と方向性を明確に定められた。

 「財政収入は国民から得たものであり国民のために使う。一分一厘であろうと有効的に使わなければならず、必ずその効果を確認し、効果がなければ責任を問わねばならない」と語る劉昆氏は、財政部が関係各所に中央政府の要求を真摯に実行するよう求めたことを明らかにし、「全面的、全方位、全過程、全期間、全監督」の「5つの全」を実行することにより、実績管理を全財政資金において徹底したい考えを示した。

 ▽中国は中米貿易摩擦のショックを乗り越えられる 米国の新政権は発足以来、一国主義や保護主義を推進し、対中経済貿易摩擦は絶えずエスカレートしてきた。

 劉昆氏は、米国のやり方は、中国企業の利益を損なうとともに中国国内の外国企業の利益をも損なうと表明。世界経済の秩序をかき乱し、各国の今後の経済発展への自信を揺るがしたと述べ、国際通貨基金(IMF)も世界の成長率予測を0・7ポイント下方修正したと指摘した。

 「中国は貿易戦争をするつもりはないが恐れてはいないことを、われわれは繰り返し強調してきた」と語る劉昆氏は、世界貿易機関(WTO)規則に基づき、自由貿易と多国間の体制、および中国の合法的な権益を断固として守るため、中国はすでに狙いを明確にした対抗措置を講じていると述べた。

 劉昆氏は、一部地区や企業はある程度の衝撃を受けると率直に指摘する。中国はその衝撃を最小限に抑える能力があると語り、影響を受ける企業については、企業の輸出方面の問題についての調整や解決、企業内配置転換や技能研修サポートなどの支援措置を財政部がすでに定めていることを明らかにし、企業が困難を乗り切るための援助を行う考えを示した。

 9月26日の中国国務院常務会議では、11月1日より1585項目の工業製品などの輸入関税税率を引き下げることを決め、中国が自発的に開放を拡大していく決意を改めて示した。 劉昆氏は、今年に入り4回行われた自発的な関税引き下げにより、中国の平均関税率は昨年の9・8%から7・5%まで低下したと指摘。これは中国がWTO加盟時の約束事項を果たした後に講じた自発的な開放拡大の行動であり、自国と世界経済発展に恩恵をもたらすとの見解を示した。

 劉昆氏は最後に「中国のマクロ経済指標は現在、平穏を維持しており、GDP成長率は12四半期連続で6・7%から6・9%の間を維持している。ビジネスを取り巻く環境にも大きな改善があった。中国企業と中国にある外国企業はこの困難を乗り切り、ますます発展していくと信じている」と語った。(記者/韓潔、劉紅霞)

 (注):「三区」とはチベット自治区、新疆南部のカシュガル地区、ホータン地区、クズルス・キルギス自治州、アクス地区、青海省、四川省、雲南省、甘粛省のチベット民族地区。「三州」とは甘粛省の臨夏回族自治州、四川省の涼山イ族自治州、雲南省の怒江リス族自治州。

 

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取材に応じる劉昆財政部部長。(北京=新華社記者/陳曄華)

【新華社北京10月8日】中国経済は今年以降、複雑かつ目まぐるしく変化する国内外の情勢の中、全体的には「穏中向好」(安定の中で良い方向に向かう)の局面を維持しているが、少なからぬ困難や課題に直面している。

 中国経済という列車を無事に遠くまで走らせるための重要な前提条件の一つとして、安定的で予測可能なマクロ環境の構築が挙げられる。現在の財政政策の積極性をいかにより高めていくか。減税や費用負担軽減をいかに企業の満足感に結びつけるか。社会の注目を集めるこれらの問題について中国財政部の劉昆(りゅう・こん)部長がこのほど新華社記者の取材に応じた。

 ▽積極的な財政政策は「ばらまき型」の強い刺激策ではない

 経済の減速圧力を受け、中央政府は積極的な財政政策をさらに積極的に行うことを明確に表明している。

 劉昆氏は、今年の積極的な財政政策の効果は執行状況から見て、大幅減税や費用負担軽減のほか、債券発行の加速や予算執行の迅速化にも表れていると述べ、地方政府のより迅速な資金活用を保障し、早急に効果をもたらすとの見方を示した。

 データによれば、地方政府が9月26日までに新規発行した一般債券はすでに年間計画の91・8%、特定債券も85%をそれぞれ達成している。前半8カ月の全国財政支出は予算の67%を達成し、9月の進捗状況も引き続き加速している。

 劉昆氏は、積極的な財政政策のさらなる積極化は、決して「ばらまき型」の強い刺激策ではなく、政策の予測性や弾力性、有効性を高め、内需拡大と構造調整でより大きな役割を発揮させ、質の高い経済成長を促進するものだとし、積極的な財政政策の次なる段階は、以下の4つの方面に力点を置くと表明した。

 ①負担軽減の強化。現行の減税・費用負担軽減政策を全面的に実施するとともに、より大規模な減税やより顕著な費用負担軽減措置を早急に策定し、真の意味で企業の負担を減らし、成長発展を後押しする。

 ②弱点の補強。中央政府が定めた重大プロジェクト建設を強力に支持し、経済社会発展での脆弱部分を強化する。

 ③消費の促進。市民の消費能力向上につながる収入分配制度の整備を進め、個人所得税特別付帯控除プランやその他の政策に対する検討と論証を深め、市民の収入を増やし、その消費潜在力を刺激する。

 ④政府の支出を抑え民を富ます。政府は節約を第一とし、余剰資金は民生保障の支出に回し、庶民のために用い、人民によい生活を送らせる。

 ▽年間を通じた減税・費用負担軽減の規模は1兆3千億元を超える

 継続的な減税・費用負担軽減に力を入れる中、今年前半の財政収入の伸び率が国内総生産(GDP)の伸び率を上回ったことが世論の注目を集めている。

 劉昆氏は、積極的な財政政策の実施により、今年の減税・費用負担軽減はさらに力が強まると語る。年初に確定した年間の減税・費用負担軽減の総額1兆1千億元(1元=約17円)の政策措置に加え、実体経済成長促進や科学技術イノベーション支援などの一連の施策を打ち出したことで、年間規模は1兆3千億元を超える見通しを示した。

 財政部のデータによれば、全国一般公共予算収入は今年第1四半期の前年同期比13・6%増から上半期で10・6%、さらに前半8カ月で9・4%まで下がり、年初に急速に増加した後に伸びが徐々に低下する形となっている。

 劉昆氏は「年初の予算編成時の時点で今年前半の財政収入が一定の速度を保ちながら増加し、後半には増加のペースが鈍ることはすでに織り込み済み」と語る。

 世論の注目に対して劉昆氏は、国際的な基準に照らしても中国のマクロの税負担は決して高いレベルではないと指摘。「国際通貨基金(IMF)のデータでは2015年のわが国のマクロの税負担は29%で世界各国の平均水準は36・8%。2016年は28・2%、2017年は27・2%と2年連続で減少している」と述べた。

 一方で劉昆氏は、GDPと財政収入の増加率の計算方法が違うことに留意すべきと語る。GDPの伸び率は実質値であるのに対し、財政収入の伸び率は名目値で、直接比較することは出来ないと述べ、例えば2017年のGDPの伸び率は6・9%だが、名目値での伸び率は11・2%と7・4%の財政収入の伸び率より4ポイント近く高いと指摘。今年上半期のGDP伸び率は6・8%で、名目値は10%、財政収入の伸び率が10・6%だが、7月と8月の財政収入の伸び率はすでに6・1%と4%に低下しており、通年では財政収入の伸び率がGDPの伸び率の名目値を下回る見込みであると説明した。

 劉昆氏はまた、減税政策の効果が表れるには一定の時間が必要であることを強調。一部の業種では増値税の税率が5月1日から引き下げられたが、国内増値税の1月から5月の平均増加率は19・5%で、6月から徐々に下降し、8月には2・1%まで低下したと述べ「時間が経てば、企業の減税・費用負担軽減効果に対する実感は徐々に高まるだろう」と語った。

 劉昆氏さらに「さらなる大規模減税と顕著な費用負担軽減策を検討している」と述べ、関連政策の実施に伴い、今後数カ月の財政収入の伸び率は低迷するとしながらも、税負担がさらに軽減される中で、年間の財政収入は年度予算額を達成できる見込みで、若干の収入超過になる可能性もあると表明した。

 ▽重点領域と重要段階への取り組みを拡大

 減税と支出増加は、積極的な財政政策が瞬発力を発揮するうえでの2大手段といえる。  

 劉昆氏は、中央財政は今年、積極的に支出構成の最適化を進めており、一般支出を厳しく抑制、「三公」経費(海外出張費、公用車購入・維持費、公務としての接待費)管理を強化し、重点領域と重要段階への取り組みを拡大していると述べた。

 地域経済均衡発展の促進では、今年の中央政府の地方への一般移転支出は10・9%増の3兆9千億元と近年で伸び幅が最も高い一年となった。資金配分の重点を財政的に厳しい中西部などの地域に置くことで、これら地域の財政保障能力を増強し、基本公共サービスの均等化を進めている。

 三大難関攻略戦では、中央政府の貧困対策金は今年大幅に増加した。前年同期比23・2%増となる1061億元を計上し、増加分は主に「三区三州」(注)など深刻な貧困問題を抱える地域へ分配された。大気や水、土壌の汚染対策資金も405億元と近年で最高額となった。

 基本民生経費保障の強化では、中央政府は今年、就職補助金に469億元、基礎年金移転に6697億元、困難群衆救助補助金に1396億元などを手配し、社会保障の向上と民生レベルの改善を行っている。

 重点領域の取り組み強化について劉昆氏は、中央政府がこれまで地方のインフラ建設支出に年初予算の94・2%にあたる累計4094億元をすでに計上しており、イノベーション駆動と生体環境保護などの分野のインフラ建設に充て、経済が引き続き健全に発展するよう進めていると語る。

 支出拡大を進めるほか、いかに必要とされる場所に資金を用いるかという点も積極的な財政政策の効果に影響する。

 このほど発表された「予算実績管理の全面実施に関する中国共産党中央委員会と国務院による意見」では、予算実績管理の全面実施の今後の目標と方向性を明確に定められた。

 「財政収入は国民から得たものであり国民のために使う。一分一厘であろうと有効的に使わなければならず、必ずその効果を確認し、効果がなければ責任を問わねばならない」と語る劉昆氏は、財政部が関係各所に中央政府の要求を真摯に実行するよう求めたことを明らかにし、「全面的、全方位、全過程、全期間、全監督」の「5つの全」を実行することにより、実績管理を全財政資金において徹底したい考えを示した。

 ▽中国は中米貿易摩擦のショックを乗り越えられる 米国の新政権は発足以来、一国主義や保護主義を推進し、対中経済貿易摩擦は絶えずエスカレートしてきた。

 劉昆氏は、米国のやり方は、中国企業の利益を損なうとともに中国国内の外国企業の利益をも損なうと表明。世界経済の秩序をかき乱し、各国の今後の経済発展への自信を揺るがしたと述べ、国際通貨基金(IMF)も世界の成長率予測を0・7ポイント下方修正したと指摘した。

 「中国は貿易戦争をするつもりはないが恐れてはいないことを、われわれは繰り返し強調してきた」と語る劉昆氏は、世界貿易機関(WTO)規則に基づき、自由貿易と多国間の体制、および中国の合法的な権益を断固として守るため、中国はすでに狙いを明確にした対抗措置を講じていると述べた。

 劉昆氏は、一部地区や企業はある程度の衝撃を受けると率直に指摘する。中国はその衝撃を最小限に抑える能力があると語り、影響を受ける企業については、企業の輸出方面の問題についての調整や解決、企業内配置転換や技能研修サポートなどの支援措置を財政部がすでに定めていることを明らかにし、企業が困難を乗り切るための援助を行う考えを示した。

 9月26日の中国国務院常務会議では、11月1日より1585項目の工業製品などの輸入関税税率を引き下げることを決め、中国が自発的に開放を拡大していく決意を改めて示した。 劉昆氏は、今年に入り4回行われた自発的な関税引き下げにより、中国の平均関税率は昨年の9・8%から7・5%まで低下したと指摘。これは中国がWTO加盟時の約束事項を果たした後に講じた自発的な開放拡大の行動であり、自国と世界経済発展に恩恵をもたらすとの見解を示した。

 劉昆氏は最後に「中国のマクロ経済指標は現在、平穏を維持しており、GDP成長率は12四半期連続で6・7%から6・9%の間を維持している。ビジネスを取り巻く環境にも大きな改善があった。中国企業と中国にある外国企業はこの困難を乗り切り、ますます発展していくと信じている」と語った。(記者/韓潔、劉紅霞)

 (注):「三区」とはチベット自治区、新疆南部のカシュガル地区、ホータン地区、クズルス・キルギス自治州、アクス地区、青海省、四川省、雲南省、甘粛省のチベット民族地区。「三州」とは甘粛省の臨夏回族自治州、四川省の涼山イ族自治州、雲南省の怒江リス族自治州。

 

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