世界経済フォーラムは22日発表のレポートで、中国がすでに世界モバイル決済のリーダーになったとの見解を示した。同時に、未来の金融エコシステムのなかで、大手IT企業が重要な機能を発揮するとみている。
レポートは、「支付宝(アリペイ)」のユーザー4億5000万件に比べ、Apple Payの世界ユーザーが1200万件にとどまると指摘。これについて世界経済フォーラム金融業イノベーションプロジェクト主管のジェシー マイクウォータース氏は、「決済方式を変えるコストがカギになる」との見方を示した。中国の消費者はクレジットカードの保有率が低いため、モバイル決済が直接主流となったが、西側消費者には、カード読み取りからスキャンによる決済へ変えようとする熱意が不足している。
このレポートは、イノベーションがグローバル金融エコシステムに及ぼす影響を調べようとした。クラウドコンピューティングや接客人工知能、「ビッグデータ」顧客分析が将来的に金融機関を差別化する競争のカギを握る3大能力と分析。この3大分野において、従来の金融サービス機関に比べ、アマゾンやグーグルなどに代表されるIT大手には広大な発展の余地があるとの見方を示した。
今後の見通しについて、新型金融エコシステムのなかで大手IT企業が一部の金融機関に取って代わり、銀行や保険会社などが大手IT企業を頼る動きが持続的に増強されると予想した。
一方でレポートは、欧州、アメリカ州、アジアなどのイノベーション主導により形成された異なる金融エコシステムが、国際的な監督管理の協調作業に試練をもたらしたと指摘。レポート顧問のデロイト グローバル金融サービス業 責任者のボブ コンテーリ氏は、「技術がグローバル金融サービスのユーザー体験を多様なものとし、ユーザーのニーズと監督管理の重んじることの違いが、金融エコシステムの地域化という特長を目立たせ、グローバル金融システム監督管理の協調において大きな試練となっている」と話す。
(チャイナネット)
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