アリババグループが第2回「淘宝造物節」で発表した無人コンビニ「淘カフェ」が、注目を集めた。7月3日に1億元の資金を調達した繽果盒子など、国内の各種無人商店はすでに10種弱に達している。今後どのように発展するか、どのようなモデルならば市場に受け入れられるかが、興味深い問題になっている。
無人コンビニはハイテク競争により発展する。このハイテクには恐らく、RFID認証、IoT、ディープラーニング、視覚ロボット、生体認証、生体決済などが含まれる。アマゾンのオフラインスーパー「Amazon Go」はこの方向で発展している。店内に入り商品を持ち去ると自動的に決済が完了する。これが完璧に行われれば、画期的な買い物体験となる。しかし現時点では技術的に非常に難しく、Amazon Goは便利だがミスを出している。これは人工知能(AI)の基本的な問題に関わっており、いつ画期的な進展があるかは未知数だ。さらには数年前に話題沸騰となったグーグル グラスのように、沈黙に帰する可能性もある。
完璧を目指さず実用性を求めるならば、無人コンビニを実現する中核技術は、モバイル決済だろう。この問題は中国で、ほぼ解消されている。中国では現在、関連条件が急速に成熟しようとしている。自動販売機という段階を飛び越えるような、新技術のコーナー追い上げ効果がさらに発揮される可能性がある。
コンビニにとってより重要なのは、コストだ。米国で流行している「Apple Pay」は設備さえ整っていれば、モバイル決済の体験は中国で流行している二次元コードのスキャンより優れている。スキャンがなくなれば、より便利だ。しかし設備のコストが高すぎ、中国での市場シェアはほぼゼロだ。そのため中国のベンチャー企業は米国と比べ、コストをより重視するという異なる路線で無人ショッピングを発展させる可能性が高い。中国企業がハイテクを導入するのはコスト削減のためだが、これは意図的なものではない。中国の無人コンビニの実践は、多くの方法を試みることが可能であることを証明した。しかしだからといって、中国企業がハイテクの開発に取り組まないというわけではない。必要があれば、関連企業の研究開発費も膨大になる。
無人コンビニがコストと使用効率を総合的に検討した上で進展を実現すれば、中国で急速に展開されるだろう。IT企業が中国で急発展している重要な理由は、中国企業が世界でコストを最適化できるからだ。中国にはコンビニが500万店以上あり、売上は10兆元を超えており、巨大な市場空間が残されている。無人コンビニの発展条件は、世界で最も優れていると言えるほどだ。無人コンビニはシェア自転車のように、次の急発展を実現するかもしれない。
中国で無人コンビニの革新に取り組む企業は、世界各国を遥かに上回るほど多い。そのうち成功者は急成長し、市場を席巻する。これは中国の企業と市場にとっての朗報だ。
その一方で、街のあちこちにあるコンビニは中国の1000 2000万の雇用を解決しているが、無人コンビニがどのような衝撃をもたらすかに要注目だ。インドは街の小規模な店のため、スーパーの発展に規制をかけているが、これは中国の伝統ではない。急速に変革する中国はさまざまな課題を勇敢に迎え、積極的に新技術を手にし、利害関係を速やかに調整するだろう。(筆者:陳経 科技・戦略風雲学会研究員)
(チャイナネット)
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