日本の北海道では毎年5~10月にかけて、大小さまざまな29のマラソン大会が開かれ、国内外から9万人弱の出場者を集めている。推算によると、外国人の出場者は毎日3000人弱に達し、うち7割が中国人となっている。6月4日の千歳JAL国際マラソンを例とすると、出場者数は約1万1000人で、外国人は342人。うち中国人ランナーは219人。
本大会の中島喜一副会長は、環球時報の記者に「千歳JAL国際マラソンは今年で第37回となる。2014年に出場した中国人は1人のみだったが、2015年には6人、2016年には66人に増え、今年は3倍以上になっている」と話した。
なぜこれほど多くの中国人が海を渡り、わざわざマラソンに出場しようとするのだろうか。井上宏 JTBスポーツツーリズム推進担当部長は、環球時報の記者に対して「およそ3年前から、中国人ランナーが目に見えて増え始めた。これは日本政府が発給するマルチビザと関係しているかもしれない」と分析した。
呉建光 上海浙江商会副会長は30人弱の中国人ランナーを率い、本大会に出場した。呉氏は環球時報のインタビューに応じた際に「出場者は仕事で成功を収めた後、健康を求めるようになった。マラソンは流行中の暮らしの一環だ。彼らは出場後に北海道を旅行し、さらにビジネスチャンスを模索することができる。まさに一挙両得だ」と述べた。
統計データによると、中国人ランナーが出場者全体に占める割合は、約2.3%と高くない。しかしこの2.3%が毎年、北海道に5000万元以上もの利益をもたらす。環球時報の調べによると、出場費、宿泊費、飲食費、往復航空券を含めたマラソン大会出場の平均消費額は、約1万5000元となる。多くのランナーは試合後に数日旅行してから帰国することを好む。北海道の公式データによると、外国人の北海道での平均消費額は、約9000元となっている。
北海道にとって、マラソンは宣伝手段の一つにすぎない。佐々木潤 北海道観光振興機構海外事業推進部次長は、環球時報の記者に対して「中国人ランナーと同行者の基本的な支出は、最も直接的な経済効果だ。彼らは満足すれば、友人に出場や観光を薦め、二次的な経済効果を生む。さらにマラソン経済により関連商品の販売が刺激される。中国人ランナーの多くはこれを機に、ストップウォッチやシューズなど新商品を購入する。中国人ランナーは出場後、北海道のビジネスチャンスを見つけることができれば、マラソン経済の効果がさらに拡大する」と説明した。
日本航空は中国人ランナーを集めるため、今年初めて北京 上海 大連の中国旅行会社と提携し、マラソンをテーマとする旅行商品を売り出している。中国オンライン旅行会社 携程旅行網では、「東京マラソン3泊4日の旅」が販売されている。また日本の3年間のマルチビザは、先に沖縄県もしくは東北3県に滞在する必要がある。井上氏は「北海道もこの制度の適用対象になることで、多くの中国人ランナーを集めようとしている」と述べた。
中国人ランナーの北海道旅行を見ると、中国人が爆買いだけではなく、海外旅行の中身を求めていることが分かる。当然ながら、北海道がPRに全力を入れていることも参考にしたい。
(チャイナネット)
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