新華網北京5月2日(記者/金宇)4月30日の朝、イタリア・ボローニャにある昔ながらの街並みが静けさの中に浸っていた。その街並みの中にある会議室では、「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」の言語環境の中で中国のストーリーをいかに的確に語るかについての学術討論が盛んに行われていた。
会議室の大画面には、中国が参与してきた過去各回の万博博覧会国家館の写真が順番に表示されていた。中国伝媒大学から来た学者の巫濛氏は、万国博覧会・中国館の設計の変遷は、中国の「無意識な『伝統』への現れから、開放とイノベーションという国家イメージの意識的な創造」を反映しているとみなしている。
「これはとても素晴らしい伝播のケースです」、とボローニャ大学でコミュニケーション学を担当するギャランディー(音訳)教授は賛同の意を示し、世界中のメディアが参加した国際的な大型イベントに中国が登場し、最も優れたコミュニケーション効果を発揮させたことは、国家イメージ向上のための重要なポイントだと考えている。
4月29日から30日にかけて、第三回「中国のことを世界に広く伝播しよう」国際シンポジウムがボローニャで開催された。今回のシンポジウムはボローニャ大学孔子学院と中国人民大学新聞学院が主催し、「『一帯一路』と中国のストーリーに対する叙述」をテーマとして、国際ミュニケーション(International Communication)において中国のストーリーをいかに的確に語り、中国文化をいかに効果的に広め、西洋文化と調和のとれた共存と対話を実現させるかを検討することを目的としている。
ボローニャ大学アジア研究センター所長の代表で、東アジア問題専門家、フィオーリ(Fiori)教授は、「一帯一路」は経済からだけでなく、文化からも中国とイタリアをより緊密に繋ぎ合わせている。このようなシンポジウムはたいへん素晴らしい文化交流の場で、イタリア学界や民衆に中国について一層理解させることができるだろうとみなしている。
羅平・在イタリア中国大使館教育参事官は、次のように述べている。「私たちは中国自身のストーリーについて語るだけでなく、『一帯一路』の沿線諸国と地域のストーリーについても更に多く語ることができます。より多くの外国人学者をお招きして交流・研究討議し、『一帯一路』のストーリーについて語るという方式は、異なる視点を示し、学術的思考を衝突させることで客観的な情報の伝達という目的を実現するでしょう。」
ボローニャ大学のギャランディー(音訳)教授は、「『一帯一路』」には新しい談話システム(Discourse system)が必要だ。中国に属する『革新的な価値観』は、国家イメージの伝播にとって非常に重要で、このような革新は中国の深遠な歴史と文化に由来することが可能であり、同時に世界と繋がっている。」と述べている。
ギャランディー教授はここ数年、中国の多くのファッションブランドがイタリア・ミラノで市場を開拓してきた例に触れ、「これらは中国の特色に富み、また世界で一流のレベルを持つものだ」と語っている。ギャランディー教授は、世界と革新力を共有することは、たいへん優れた伝播の試みだと述べている。
シンポジウムに招かれて参加したフランチェスコ(Francesco)氏はコンサルタントで、イタリアの雑誌に伊中関係に関する文章を書いた記者でもある。フランチェスコ氏は、イタリアは中国についてあまり理解しておらず、中国との協力には極めて大きなニーズがあると考えており、「私は、多くの中国企業によるイタリア企業の買収が、経済的苦境や雇用問題の解決に役立つことを理解しています。もし現地メディアと協力し、このようなストーリーについて十分に報じることができれば、ウィンウィンの効果を生むものと信じています。」と述べている。
(新華社より)
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