新華網北京3月20日 福島の放射能漏れ事故の発生から今年で6年が経過したが、当地の環境回復任務は依然として厳しい。「除染」作業は人手不足で、政府の監督管理が行き届いておらず、一部の日本企業が住民を困らせる「悪知恵」を働かせている。
【危険な状況下での言葉巧みな騙し】
記者が2月下旬に福島で実地調査を行い、原子力発電所の発電機西側の標高35メートルの高台に立って発動機を見下ろすと、放射能測定器の最高値は毎時150マイクロ・シーベルトを超え、東京の日常水準の3,000倍余りに達し、機器を持つ記者の手が震えた。
放射能汚染区域での放射能汚染の洗浄作業は長期的な取り組みで、主要任務は放射能で汚染された地表土などの汚染物質を排除することで、「除染」作業と呼ばれる。
この危機下で、意外にも「福島に来て除染作業を担当するなら、ビザを延長できる」という騙しの手口が発覚した。この手口によって、一部の事情をよく知らない難民が騙されて福島に連れて来られ、多くの日本人が関わりたがらない「除染」作業に従事させられている。
バングラデシュ難民のフセイン·モニーさんとフセイン·ドロアレさんもこうして福島県飯館村に来た。日本の『中日新聞』によると、日本にいるバングラデシュ人が二人を人材派遣会社勤務と自称する男性に紹介した。この日本人男性は2人に「除染は国のための仕事だから、ビザを延長できる」と話し、モニーさんとドロアレさんはその言葉を信用した。
しかし、彼らが作業を終えて仙台入国管理局で「在留資格を手続き」を行うときに、担当者に「私たちは除染作業をしました。」と伝えると、不思議そうな表情を浮かべて「何を言っているのですか。わかりません。」と告げられた。彼らはこのときにはじめて騙されたと気がついた。
彼らを雇った名古屋の建設会社を再び探し出したときには、社名変更され、福島にある事務所に誰もいなかったという。
【外国人の影】
モニーさんとドロアレさんの回想によれば、2015年1月から3月にかけて福島に行って「除染」作業をした当時に、現場の約20人の作業チームのうち、約半数はインド人、スリランカ人、バングラデシュ人などを含む外国人で、難民資格の申請を疑われた。
ブラジル生まれの石川さんは別の外国人チームの「請負業務責任者」だ。石川さんの話しによると、政府が作業員に受講を義務付けた放射能予防対策教育の手続きは表面的なもので、大多数の外国人作業員は日本語を理解できず、東京電力から配布された放射能予防対策マニュアルはすべて日本語、又は英語で記述され、現場に通訳もいなかった。
【騙しの手口の真相】
この騙しの手口が暴露された後、日本法務省の入国管理局、難民認定室は「悪質だ」として、近く調査を実施すると表明した。
日本メディアは「除染」作業は人手が大幅に不足しているため、「わなにかける」ことが横行する恐れがあると分析する。
(新華社より)
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