今年から中国政府の巨額支援が終了したことで、国内電気自動車企業が停滞している。電気自動車をどう買ってもらうか。それがメーカーの悩みどころとなっている。そんななか自動車産業のレンタル事業が、消費者に電気自動車の使用を促すものになり始めている。香港紙「南華早報」が報じた。
中国では「シェアエコノミー」がブームになっている。30社以上の中国の大手企業が「フレキシブルな移動」の流行に乗っかった。彼らは時間や場所を問わずレンタルの電気自動車を使えるアプリ開発研究をしている。 グローバルなカーシェアサービスのリーダーといえる「Car2Go」は、ダイムラー傘下のカーシェアプロジェクトである。事業範囲は欧州と一部北米都市で、主にガソリンで駆動するスマートカーが使われている。一方、中国の新興カーシェアリング市場で使用されている3万台のうち95%が新エネルギー車である。そこには電気自動車とハイブリッド車、燃料電池車が含まれる。
PwC傘下の戦略コンサルティング企業であるStrategy&が先ごろ発表したレポートによると、中国の電気自動車メーカーの持続的宣伝と低い運営コストの刺激を受け、今後5年、中国の低排気車またはゼロ排気車の数は、1年あたり50%増で成長すると指摘する。同社パートナーは、「カーシェアリングモデルは中国での電気自動車開拓に極めて有効と述べた上で、「このサービスは2020年までに大きな進展を遂げる。中国政府が計画する新エネルギー車の目標とも合致する」と指摘する。中国政府は、新エネルギー車を使用することで都市の深刻な汚染と交通渋滞を解決しようと計画している。
中国では昨年、50.7万台の新エネルギー車が売れ、世界最大の新エネルギー車市場となっている。しかしこの成果の多くは、政府の提供する巨額な支援と密接な関係がある。だが政府はこれに問題があるとし、今年1月より関連企業への支援をやめた。その後、電気自動車の販売数は74.4%減となった。
カーシェアリングの概念は、1980年代の欧州で生まれた。しかし中国における概念は、環境にやさしいことを前提としながら運転の自由を享受できる新しいスタイルであり、ITを熟知した若い世代で流行するライフスタイルとされている。
カーシェアリングサービス企業である途歌(ToGo)の王利峰CEOは、「中国には充電スポットが少ない。ということは、電気自動車をレンタルしたユーザーは短距離しか走行できないことを意味する。しかも彼らは特殊設備の付いた充電スポットの駐車場で車を借り、返さないといけない」と述べた上で、「電気自動車は、人々が求めるフレキシビリティとメーカーが提供できるサービスに大きな差がある。完備されているとは程遠い充電施設は、電気自動車のカーシェアリングを広める上で、今後長い間にわたって障害になるだろう」と指摘する。
(チャイナネット)
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