「中国人実習生は賃金が低く、プレッシャーが高く、いじめやセクハラを受けがちだ」。「失踪した実習生は1万人に達する」。日本で最近報道される中国人実習生の悲惨な境遇に、中国人は心を痛めている。
日本法務省が公表した最新の統計データによると、2015年12月時点で、日本国内の外国人技能実習生は合計19万2655人。そのうち中国人実習生は8万9086人で、46.2%を占めている。
2017年2月26日、中国駐日大使館はメディアを通じて、技能実習生に対する保護措置について説明した。
遠く日本に赴いた中国人実習生の中には、金を掘り当てた早期の実習生もいれば、今でも生き残りに必死な人もいる。海を隔てた島国に行けば、二倍さらにはそれ以上の収入が得られ、生活が早く改善できると単身でやって来る彼らだが、その運命のすべてが彼らの手のうちに握られているわけではない。
劉暁冬(仮名)さん、23歳。実習生を始めて一年半後、「黒工」、不法就労を始めた。
中国 山東臨沂――日本 北海道・横浜・東京ほか
――はるばる日本にやって来て実習生になったのはなぜ?
高校を卒業したばかりの18、9歳の農村の若者に明るい未来があるわけでもない。故郷の山東省臨沂では、日本に出稼ぎに行く人がとても多かった。だからそれが一番早く稼げる道だと知っていた。
2014年に私の通っていた日本語学校には7、80人の生徒がいたが、皆、日本で一稼ぎしようという人ばかりだった。日本には、建築や衣類製造、ホテルサービス、鋳造、溶接、ゴミ収集などの職があると聞いていた。
――最初、労務仲介者には何と言われた?
労務仲介者には初め、北海道でのキノコ栽培の職を紹介する、毎月少なくとも1万元、3年で30万元以上は稼げると言われた。さらに、キノコ栽培をやっているのは女の子ばかりだから、「交際相手探しにもいい」とまで言われた。
――日本に着いたらどうだった?
日本に着いて、30万は確実というのは嘘に近いことがわかった。最初の一年の収入からいけば、3年で15万稼げればいい方だろう。当時、私が手にしていたのは北海道の最低時給の大体760円くらいだった。交際相手が見つかるとの夢想は一日目で消えた。私たち3人はあの広い土地で働く数少ない男性だったが、残りは皆、5、60歳の日本のおばさんばかりだった。
賃金収入は労働契約で約束として書き入れられず、中立的な機構が管理するわけでもないから、権益維持はほとんど不可能だ。