米国メディアはこのほど、中国の大物SF作家、劉慈欣氏の作品が間もなくスクリーンで上映されると紹介した。彼の小説『流浪地球』の映画版は今年3月に上映開始を予定している。ここ1年の中国SF界は非常に目立っていた。2016年8月に北京の作家、郝景芳氏はSF界最高の賞の一つとなるヒューゴ賞を獲得し、同賞を受賞した初の中国人女性となった。また、劉慈欣氏は人気の三部作小説『三体』の舞台劇版が北京で上演され、商業的にも成功を収め、人々を驚かせた。
米誌『フォーリン ポリシー』は2月24日にウェブサイトで、中国のSFについて、以前はインターネット上で作家とファンが繰り広げる小規模な活動に過ぎなかったが、今では国際的な賞にも頭角を現し、映画製作会社の商業的な興味を掻き立てていると伝えた。これは優秀なSF作家と中国のインターネットの成熟が起こした驚くべき変化との見解を示している。
SFは中国の文学史上に長きにわたり存在してきた。魯迅や梁啓超など有名な文学作家たちも、SF物語の執筆や翻訳を手がけ、なかでも有名なのはジュール ヴェルヌのSF小説だろう。ただ、彼らをSFに駆り立てたのは、科学技術や時代のシンボルをめぐる中国の「時代遅れ」という問題をいかに解決するかという意識だった。
今世紀初めに中国では、インターネット上でSFコミュニティが爆発的に発展しはじめ、こうしたコミュニティを通じて作家は読者とのオンライン交流や作品連載が可能となり、非常に多くのフィードバックを得られるようになった。百度貼吧などのソーシャルネットワーク拠点や芸術 文化に注目した豆瓣網、大学のBBS上で、オンラインコミュニケーションとして盛り上がった。突然、誰でも作家になれ、その初稿にもリアルタイムで大きな反応があった。
インターネットは、中国のSF作家の創作方法を変えただけでなく、作品の内容も変えた。以前は『科幻世界』などの専門誌が代表的な外国作品を翻訳版を掲載していたが、インターネットの発展に伴い、作家たちは突如としてリアルタイムで様々な外国SF作品を読めるようになった。
『三体』シリーズ第2部作の英訳を手がけた周華(ジョージ マーティンソン)氏は、「多くの声があるということは、様々な見方があるわけで、斬新で面白い物語が生まれるだろう」と話す。特に「新ブーム」SF小説は、創造的な文体やあらすじのなかに、科学技術やいわゆる「ハードSF」の面影がみられない。
(チャイナネット)
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