長時間うつむいた姿勢でスマホを操作することで、あなたの頸椎はじわじわとダメージを受け続けている!ユーロスパイン(欧州脊椎協会)はこのほど、「『ショートメッセージネック』は今や、新世代の人々の世界的な疾病となった」とする声明を発表した。「この問題は、中国でとりわけ深刻であるかもしれない」という声や、「中国で言われている『微信(Wechat)ネック』という呼び方の方がよりしっくりくる」という意見もある。新民網が伝えた。
ユーロスパインは、声明において、次の通り指摘した。
「人間の頭の重さは、約5キログラムある。うつむいてスマホなどの電子機器を操作している時、うつむく角度は60度ほどになっている。このような時、てこの原理と重力の作用によって、頸椎の筋肉は25キログラム以上の負荷に耐えていることになる」。
「このような姿勢が長時間続くと、頸部の違和感、痛み、こり、頭痛、さらには頸部の損傷が生じ、いわゆる『ショートメッセージネック』を患うことになる。それが長期間続けば、これらの症状がますますひどくなり、頸椎症などの慢性障害が生じる恐れがある」。
ユーロスパインの専門家も、「このような前方にうつむく姿勢がもたらす影響を絶対に軽く見てはならない。なぜならこのような影響が、若者世代に広く及び始めたからだ」と警鐘を鳴らしている。
ユーロスパインからのこのような警告を受けて、中国の医師たちも憂慮の念を表し始めた。上海中医薬大学附属岳陽中国・西洋医学総合病院マッサージ科の孫武権・科長は、「今の中国でも、スマホや端末機器が頸椎にもたらす悪影響は、若者にとってありふれた問題となっている。頸部の異常を訴えて外来を訪れる若い患者の圧倒的多数は、端末機器の合理的でない使用方法に原因がある」と指摘した。
専門家の観点から見ると、長時間うつむいた姿勢を続けることが、問題の根本的原因となっている。孫科長は次の通り説明を続けた。
「頭部を下げてスマホやノートPCを見ている時、頸椎の後ろ側の筋肉は、その姿勢を維持するために、絶えず緊張状態を強いられる。低くうつむけばうつむくほど、筋肉はより大きな力で引っ張られ続ける。その姿勢が20分以内ほどの短時間ならば、筋肉だけの力で耐えることができる。だが、それよりも長時間になると、筋肉が疲労し、頭部を支え続ける力がなくなり、今度は靭帯が筋肉に代わって力を出してうつむき姿勢を保とうとする。さらに時間が長くなると、頸椎に痛みが起こる」。
「うつむき姿勢をさらに続けていると、身体は、肩や背中など他の部位の筋肉を総動員して頸椎の筋肉をサポートしようとする。その状態が続くと、肩・背中さらには腰の筋肉も、こり、だるさ、痛みなどの症状が起こる。頸椎の筋肉が繰り返しダメージを受けると、頸椎の傾斜度がだんだんと変化して、一連の病理的反応が発生し、さまざまな症状につながる」。
このような症状が長引くと、どのような結末を迎えるのだろうか?専門家は、次の通り説明した。
「症状の程度により、頸椎の不具合がある患者は、首の痛み・こり・可動域の制限、肩・上腕部の痛みや麻痺などの症状があり、深刻なケースでは、四肢の感覚麻痺や力が入らないといった症状が出る場合もある。さらにひどくなると、程度の差はあれ半身不随状態になる恐れもある。最終的に、人の身体障害で最もよく見られる整形外科疾患の一つに行きつく可能性があり、決して侮ってはならない」。
「スマホの正しくない使用によって頸椎にもたらされる損傷を避けるためには、操作している時の姿勢を変えることが一番だ。頸椎後ろの筋肉群の筋力アップが最上の予防手段となる」。
頸椎後部の筋肉群を強化する方法:アイソメトリック(静的動作)トレーニング
【やり方】両手を組んで後頭部を抱え、頭部に力を入れて手を押し、手にも適度な力を入れる。うつむいたり頭を上げたりするのではなく、手と頭部に力を入れる静的なトレーニングがポイント。3-5秒間力を入れた後に、3-5秒間力をゆるめる。この動作を5回から7回繰り返して1セットとする。1時間ごとに1セット行う。1日に十数セット行うのがベスト。
(人民網日本語版)
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