2017冬季アジア札幌大会が今月19日夕方、北海道札幌市で開幕。32の国や地域から来た選手約2000人が、5競技64種目でメダルを競う。大会を主催する北海道は、投じる資金をできるだけ抑えながらも、高い経済効果を出したいともくろんでいる。経済日報が報じた。
北海道は、アジア冬季競技大会開催を通して地域経済の発展促進を期待している。北海道では春と夏は美しい花、冬は雪景色を楽しむことができるなど、一年中四季折々の美しい景色を見ることができる。近年、北海道は「雪」を活用して海外からの観光客呼び込みに力を入れている。そのため、ここ数年は、冬になると、雪景色を見たり、ウィンタースポーツを楽しんだりするためにやって来る外国人観光客が明らかに増えた。冬季アジア札幌大会組織委員会の会長を務める札幌市の秋元克広市長は、「アジア冬季競技大会が成功すれば、北海道の美しい雪景色やウィンタースポーツの世界的な知名度を向上させ、新たな経済成長ポイントを作ることができる」と期待を寄せている。
取材では、アジア冬季競技大会開催期間中、札幌のホテルは予約でほぼいっぱいとなっていることが分かった。多くの国の選手は、1週間前に札幌入りし、試合会場になじむために練習をしている。また、ハイレベルの試合を見るついでに、観光などを楽しもうと、日本の各地やアジアの国々から大勢の人がやって来ている。
アジア冬季競技大会の準備の過程で、大会組織委員会はコスト削減のためにさまざまな試みを実施した。例えば、12競技場は全て現有の会場、施設。スキージャンプのメイン会場である大倉山ジャンプ競技場は、1972年の「札幌オリンピック」スキージャンプ競技が開催された場所だ。86年、90年のアジア冬季競技大会も札幌で行われたものの、今年は初めて共同開催する帯広の森スピードスケート場でスピードスケートの試合が行われる。そのため、試合会場を新しく建設するために多額の資金を投じる必要はほとんどなく、各会場の観客席や選手の待機エリア、報道陣エリアなどの改修を行うだけでいい。大会運営の面では、組織、審判、運営、管理などの専門家が必要な部分以外は、ボランティア約4600人が通訳や誘導、会場サービスなどを担当している。全ての競技場は試合や練習が行われる日以外は、なるべく社会や観光客に開放して、収入を確保している。
投資の面で、大会組織委員は細かく計算して、経済効果があることを見積もっている。参加選手が多いため、会場や宿舎などのセキュリティ、送迎などのコストが高まり、同大会の予算は当初の35億円から68億6000万円まで膨らみ、支出を切り詰めるより、収入の道を開くことを考えざるを得なくなった。同大会の広告やテレビの放映権などによる収入はわずか8億7000万円で、日本スポーツ振興くじ基金の助成金も11億円と、それらを合わせても予算の29%しか賄うことができなかった。そのため、北海道、札幌市、帯広市などは自治体の財政から合わせて46億9000万円を支出した。日本のスポーツ界や関連の自治体はその投資には価値があるとの見方を示している。大会組織委員会の生島典明事務総長は、「アジア冬季競技大会開催で北海道の知名度が上がると、同地域の商品の価値も向上する」と指摘する。日本政策投資銀行北海道支店は半年前、同大会開催による経済効果を117億円と試算しており、高い経済効果が見込まれているのだ。
このように経済発展に恩恵があるため、札幌市は2026年冬季オリンピック パラリンピックの招致に乗り出す意向を示しており、開催する場合の費用や効果などについて示した開催提案書も作成している。自治体と市民はアジア冬季競技大会を通してハード施設の条件確認を行うと同時に、ハイレベルな運営管理の実力を示す機会になればと期待している。同大会組織委員会の武井文夫競技部長は、中国の選手団の入村セレモニーで、「中国は近年、ウィンタースポーツのレベルを急速に高めており、これは北京で冬季五輪が開催されるのと密接な関係がある。中国の選手が今回のアジア冬季競技大会で良い成績を収めることを願っている。また、2022年の北京冬季五輪成功を祈っている」と語った。
(人民網日本語版)
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