「2016年の中国インターネット産業の売上成長率は40%を超える」。中国工業情報化部の苗圩部長は26日の作業部会で、中国の一定規模以上工業企業付加価値の年間成長率は6%、うち、電気通信業の業務総量と売上高の増加率はそれぞれ53%と5.1%、ソフトウエア・ITサービス業売上の増加率は15%に達するとの見通しを示した。
「インターネット産業の成長率がその他の産業を大きく上回ったのは、モバイルインターネットの急成長が1つの要因と考えられる。もう1つは、自社資産を軽量化して外部に生産を委託、自らは運営に注力するインターネット企業、特にプラットフォーム企業については、ユーザー数が一定規模に達すれば、スケールメリットが得られるだけでなく、景気変動による影響も小さかったためと考えられる」。中国情報通信研究員政経所経済部門の韋柳融・副主任は、「インターネット産業の急成長は、中国のネットワークインフラ整備の加速と切り離して考えることはできない」との見方を示した。
苗圩部長は2016年の通信業について、次のように説明した。◇投資実行額は4300億元。◇中国全土に光ファイバーネットワークが整備され、光ブロードバンドユーザーが全体に占める割合は72%、4Gユーザーは7億件を突破、IPTV(IPネットワークを利用した映像配信サービス)ユーザーは8200万件。◇全国のブロードバンド平均通信速度は2015年の2倍。◇基幹ネットワークへの接続ポイントを3カ所新設し、ネットワークの帯域幅を拡張した――など。
都市部と農村部の情報格差是正に向け、2015年末に始動した通信普及サービスの試行プロジェクトは、順調に進展している。現時点までに、中央財政からの補助金支給額が87億元に達したことで、通信会社の投資額230億元を喚起。3.1万の貧しい村を含む10万の自治体のブロードバンド整備と高度化を支援し、年間目標を上回る成果を上げた。
「スマートフォンの普及率、モバイル端末による電子商取引の規模は非常に高い水準に達しており、モバイルインターネットによる収益拡大はすでにピークを過ぎたことを意味する」。韋柳融氏は、工信部が提起した2017年の主要目標のうち、インターネット産業の売上成長目標が26%にとどまったことは、この情勢を踏まえたものだと指摘する。しかし一方で、スマートインターネット時代の到来を待つ以外にも、多くの潜在力を掘り起こすことができるとし、ビッグデーター、クラウドコンピューティング、IoTなどによる産業インターネットが今後の成長分野になるとの見方を示した。
スマート製造は、中国製造業のデジタル化への足掛かりとなり、ネットワーク化、スマート化の目標実現は、工信部の産業化と情報化の深い融合を目指す主要方針そのものだ。苗圩部長によると、2015年に実施した46のスマート製造モデルプロジェクトで、平均生産性は38%上昇、エネルギー利用率は9.5%上昇、開発サイクルは35%短縮した。2016年に実施した63のプロジェクトも大きな成果が上がった。2017年には、プロセス製造とディスクリート製造、ネットワーク共同製造、大規模カスタマイズ、遠隔監視・運用保守サービスなど約90のモデルプロジェクトを実施するほか、50以上のスマート製造基準を制定する。スマート製造システムソリューションについては、主力事業の売上が10億元を超えるサプライヤーを10社以上育成する方針だ。
(チャイナネット)
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