中国国家発展改革委員会発展計画司と雲河都市研究院の共同編纂による『中国都市総合発展指標2016』が11月28日、人民出版社から正式に出版された。経済、社会、環境の3分野を軸にした指標で、中国の295都市を総合的に評価した報告書。同書の都市ランキングによると2016年度は北京が首位、上海が2位、深圳が3位となった。4位以下は広州、天津、蘇州、杭州、重慶、南京、武漢の順で続いた。
「中国都市総合発展指標2016」は、権威性、総合性、応用性を兼ね備えた中国初の都市発展評価指標の2016年版である。同指標の研究開発には、周牧之東京経済大学教授、徐林中国国家発展改革委員会発展計画司司長が総括を務め、楊偉民中国共産党中央財経領導小組弁公室副主任、杜平中国国家信息中心常務副主任、周其仁北京大学教授、横山禎徳東京大学特任教授らが専門家として参加した。指標は環境、社会、経済という3つの軸(大項目)を、定量化、可視化という方法を使いながら、中国都市の持続発展状況について多角分析し、総合的に評価した。
指標開発の目的は、中国都市化の次の展開に向けて、先進的な理念と科学的な指標をもとに、データ化した政策ツールを提供し、「中国の都市化」のモデルチェンジを促すことにある。
「中国都市総合発展指標2016」では北京と上海がギリギリまで都市総合ランキングの首位を争った。具体的には、北京は社会分野、特に伝統の継承や交流の面で上海を上回る評価を得た。一方、経済分野と環境分野では上海に軍配が上がった。深圳の優位性は環境分野と経済分野にあり、特に環境分野では深圳がランキングのトップを飾った。
4位の広州、5位の天津は両市ともに社会分野と経済分野が強かった。環境分野では広州が天津を上回った。
6位から10位まで順にランクインした蘇州、杭州、重慶、南京、武漢の5都市は、社会分野と経済分野において優れ上位10都市に入ったものの、環境分野の指標はやや劣っている。総合評価で6位だった蘇州も環境分野に限れば20位にとどまっている。