中国社会科学院文学研究所教授で中国神話学会会長である葉舒憲氏は、7日に上海図書館で開かれた講座において、「我々は自分たちを“龍の伝承者”と言うが、古代にそのような言い方はしなかった。当時は熊が東アジア大陸の神だった」と述べた。
葉舒憲氏は取材に対し、この奇想天外な発見は文献や出土文字、口伝、遺跡、文物、写真など「文学人類学に即した4つの根拠」に基づくと述べる。
現在の熊の概念は、古代に比べ大きな差異がある。「華夏の神話において主流たる神は“神熊”だった。楚の王が王位に登るときはいつでも“熊王”と呼んでいた。司馬遷は20人あまりの“熊王”を記載している。“河西回廊”(甘粛省の西北部)の西側にあった魏晋の墳墓には“熊”たちが並んでいる。無形文化遺産の中では、ホジェン族が代々、魚皮で作った熊のトーテムがある」と同氏は述べる。
実際、中国のトーテム文化はとても奥深い。熊のトーテム以外にも、植物のトーテム、数字のトーテム、文字のトーテムなど多様だ。「“4つの根拠”に基づけば、中国のトーテム神話は8000年の歴史がある。文字で記載された歴史の倍以上である。現状、資料は不十分だが、今後もっと出てくるはず」と同氏は続ける。
同氏によれば、中国では1980年代に“トーテムブーム”があった。「当時、トーテムに関する書籍は数十に上った。しかしその後は停滞することになった。現在、トーテムに関する書籍はとても少ない。やや多いのは少数民族にまつわるトーテム本だ。すでに表にまとめてある」。
「中国のトーテム神話研究の意義は、文化の源流や祖先の由来、文化の根源はどこなのかを探れるということ。早期のトーテム神話に大きなヒントがある」と同氏は述べる。
同氏は以前、中国トーテムに関する「映画製作計画」をメディアに明かしたことがある。それに対し、「すでに実質的に動いている」と同氏は述べる。「現在、玉文化に関する脚本を書いている。玉トーテムは華夏文明において最も重要なトーテムであり、国家のトーテムといえる」。
(チャイナネット)
関連記事: