日本メディアは8日、日本の安倍晋三首相が8項目の対ロ経済協力案で、1兆円以上に及ぶ投資規模を想定していると伝えた。
安倍政権はロシアの需要に基づく投資により、北方四島の領土問題を含む平和条約締結交渉を推進しようとしている。
経済協力の中身
日本とロシアは千島列島南部の四島の領有権を巡り、深刻な係争に陥っている。千島列島はロシア極東のカムチャツカ半島と日本の北海道の間に位置する。列島南部の歯舞、色丹、国後、択捉の四島は、ロシアから南クリル諸島、日本から北方四島と呼ばれている。四島は戦後、ロシアに実効支配されている。ロシアは日本による四島返還要求は、敗戦の結果の再定義を求めるものと見なしている。深刻な係争により、両国は現在も平和条約を締結していない。
プーチン大統領は今年5月、ロシア南部の港湾都市ソチで、安倍首相と非公式会談を開いた。安倍首相はエネルギー開発、極東の産業振興といった8項目を含む、一連の対ロ経済協力計画を打ち出した。しかし両氏は会談後、共同記者会見を行わなかった。これは領土係争という重要問題で、依然として大きな食い違いを残しているためとされた。
共同通信は8日、消息筋の話として「安倍政権の対ロ投資政府案は、投資規模を1兆円超と想定。シベリア 極東地域のインフラ整備や資源開発、生活の質向上など41件を盛り込んだ。一部の投資はウラジオストク、ザルビノ、ボストチヌイの極東3港湾の機能強化に向けられる。ロシアが注目する医療について、日本側は日本最先端の病院の建設を支援し、高品質の医療を提供する。投資規模は250億円を想定」と伝えた。
エネルギー開発について、日本側はウラジオストク近郊の約6000億円規模に及ぶ石油化学プラントの建設に投資する。また双方はサハリン、シベリア、北極海沿岸の石油 ガス開発を共同推進する。
極東振興について、日本側はハバロフスク国際空港の運営に参与し、照明と気温の調節により野菜を栽培する室内植物工場を建設する。人員交流について、安倍政権は長官クラスの交流促進会議の設置、ビザ発給要件の緩和を目指す。
対ロ経済協力、別の目的とは
協力プロジェクトの投融資について、日本政府はロシア経済分野協力推進会議を設立し、議論を進める方針だ。
上述した消息筋によると、安倍首相は12月15日に山口県でプーチン大統領と首脳会談を開く予定。日本側は経済協力の合意を目指す。
経済産業大臣兼ロシア経済分野協力担当大臣の世耕弘成氏は早ければ11月にロシアを訪問し、プーチン大統領訪日前の詰めの協議に入る。
ロシアと日本は2013年より、プーチン大統領の訪日に関する協議を開始した。クリミア問題が生じ、日本が西側諸国の対ロ制裁に加わったことで、プーチン大統領の訪日が何度も棚上げされた。年末の訪問が実現すれば、プーチン大統領は2005年ぶりに訪日することになる。
共同通信によると、日本政府は経済協力により、北方四島の領土問題の協議を推進しようとしている。しかしロシア側は北方四島の実効支配を強める姿勢を変えておらず、首脳会談がロシアの譲歩を促せるかは未知数だ。
プーチン大統領と安倍首相は先月2日、ウラジオストクで会談していた。プーチン大統領は、ロシアは日本との平和条約締結を重要問題を考えており、日本側と同問題を解決することを強く願っているが、領土で日本と取引することはないと発言していた。
(チャイナネット)
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