世界的な大手不動産コンサルタント、DTZが21日に発表した「中国海外不動産投資分析リポート」によると、中国国内の大口取引・投資市場が安定するなか、中国による海外投資が大幅に増え、今年1-8月の投資実績額(大口取引)は最高記録を再び更新した。
今年1-8月の中国海外不動産投資額は235億米ドルに上り、昨年の年間実績257億米ドルに迫った。
これについてDTZ大中華圏研究部の董事総経理を務めるジェームズ・シェパード(James Shepherd)氏は、中国国内での販売可能な優良物件資源の不足と、国際市場の緩やかな回復が要因との見方を示した。
ジェームズ氏は、中国の北京、上海、広州、深圳など一線都市(大都市)の不動産市場で販売可能な優良物件がますます不足しているえ、主要物件の投資リターン率の縮小が続き、海外に安定した投資チャンスを求める中国の投資家が次第に多くなったと分析。国際市場での人民元安への期待や、英国や米国など海外市場での比較的低い借入れコストも、中国の投資家による海外投資を後押ししたと説明している。
米国の経済回復が中国の投資家を引き付け、今年1-8月の中国による米国投資額は世界投資総額の57%に達したとみられる。「英EU離脱」も中国の投資家からみればチャンスと映った。英国不動産ファンドの一部が「英EU離脱」がもたらす不確実性を懸念して資産を売却した際、多くの中国人投資家はそれを英国投資のチャンスととらえ、収益安定で知られるロンドンのオフィスビル市場などに参入。また、中国政府が打ち出した「一帯一路」構想などの好材料となる政策も、中国の機関や企業の海外不動産投資を活発化させた。
多くの投資家による「走出去(海外進出)」や投資リスクの分散を踏まえ、ジェームズ氏は、中国による海外投資の伸びが続き、投資家が米国、英国、オーストラリア、ドイツ、フランスなどの成熟市場を選好するとの予測を示した。
(チャイナネット)
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