新華網北京9月20日（新華社記者/徐揚、趙洪南）「九一八事変」（日本では満州事変）の勃発８５周年の節目に、埃に埋もれた過去のエピソードが遼寧史学界によって発掘された。３人の英国人の友人は事変の発生後、中国の愛国者に代わって死を賭して国際調査団に日本の中国侵略の罪証を引き継いで伝えた。この中国侵略の罪証は『ＴＲＵＴＨ』（真相）という名を付けられ、現在も尚、ジュネーブ国連図書館に収蔵されている。これらの３人は正義ある行動と恐れるところがない勇気によって、学者たちに「瀋陽のラーベ」と呼ばれている。
３人の英国人が中国人に代わって「真相」を引き継いで伝える
「瀋陽のラーベ」は、『ＴＲＵＴＨ』という名称の史料から発見された。「九一八事変」の勃発後、日本は半年足らずで東北地方全体を占領した。国民政府の要請に応じて、国際連盟は調査団を実地調査に派遣した。
国際社会で日本の侵略の罪行を暴露するため、瀋陽「九君子」と称された９人の愛国者が集まった。彼らの中には、共産党員、医師、教授、銀行家などがおり、肩書きは異なるが、共通の信念を持っていた。それは日本帝国主義の罪の行為を暴露することだ。彼らは生命の危険を顧みずに、日本の中国侵略の最初の第一歩の手がかりとなる証拠を収集し、『ＴＲＵＴＨ』（真相）という名称の史料にまとめた。
旧日本軍は封鎖と管理が厳密であるため、調査団に接近することは、天を登るよりも難しかった。９人の愛国者のうち、医師の劉仲明氏は深い思考を重ね、知り合いの英国人、ウイリアム・ヤング氏を思い出した。ヤング氏は当時、盛京施医院の院長で、奉天医科専門学校の法医学教授も兼任していた。
フレドリック・オニール博士は国連調査団のリードン団長と古い知り合いだった。ヤング氏の計画と手配に従い、オニール博士は瀋陽に行って『ＴＲＵＴＨ』を受け取った。オニール博士は文書を手に取ったときに、その重さを実感し、私が死んだとしても、偉大な事業のために死ぬのだと語った。
文書は相当、大量で、非常に重要だった。オニール博士はその文書を駐瀋陽英国総領事館のスチール製のケースに保管した。国連調査団が瀋陽に到着した後、オニール博士はリードン団長に直筆の手紙を書き、親戚の肩書で面会した後、巧妙にももう一人の英国人、ウィリアム・マックノーザン氏の家で宴席を設け、日本人がそこで情報を探るのを阻止した。
今回の対面で、３人の英国人がその場で「九君子」の行為と『ＴＲＵＴＨ』の真実性を推薦し、保障する署名を行った。翌日、リードン団長は領事館でこの『ＴＲＵＴＨ』を手にした。
