「国際反ファシズム闘争史上の重要証拠」
中国近現代史史料学会の王建学副会長は、次のように説明した。3人の英国の友人が各地を渡り歩き、死を覚悟で協力したことによって、瀋陽「九君子」はついに国際裁判所の仲裁手続きに照らして『TRUTH』を提出した。これにより、『国連調査団報告書』の起草及び国際連盟に大量の有力な証拠が提供され、国際社会は「九一八事変」及び偽満州国に比較的公正な定性を裏付けた。中国はこれを基盤に、政治、外交及び道義的に国際的な支持を得た。
1933年2月、国際連盟特別総会は賛成42票、日本の反対1票で『国際連盟調査委員会報告書」に基づいて作成された決議案を通過させた。これは国際社会が「九・一八事変」の真相について初めて公表した重要文献にあたる。
一部の学者は、ウイリアム・ヤング(WilliamR.Young)氏、フレデリック・オニール(FrederickW.S.O'neil)氏、ウイリアム・マクノートン( William McNaughtan)の3人の英国の友人が、「九君子」のために仲をとりもち日本の侵略の犯罪証拠を伝えたことは、中英両国人民が共同で侵略に抵抗し、正義と平和を守った歴史的証言であり、国際における反ファシズム闘争史の重要な証言だとみなしている。
80年余り埃に埋もれてきた一つの美談が再び日の目を見る
事が起きてから80年以上が経つが、学者たちは長く封印されてきたこれらの歴史をどのように元に戻したのか?
「これは縁かもしれません。」張潔氏は、当時資料の伝達において核心的な役割を果たしたフレデリック・オニール氏の子孫も、先人の足取りを追い求め、この時代の隠された歴史を探訪していると語った。
日本が太平洋戦争を発動させた後、フレデリック・オニール氏は1942年に中国を離れることを余儀なくされた。しかし数十年後、彼の孫にあたるマーク・オニール氏は仕事で中国を訪れ、中国人の妻を娶り、祖父の中国での足取りを探し求めるうちにこの秘密に気がついた。このため、オニール氏は『闖関東的愛爾蘭人(山海関以東へ進出したアイルランド人)』という本も執筆して祖父を記念している。
張潔氏は、正にこの本を通じてマーク氏を探し出し、この時代の歴史は80年余り埃に埋もれた後にようやく完全に元に戻されたのだと語った。
現在、王建学氏、張潔氏などの学者はマーク・オニール氏とすでに協力を展開しており、『TRUTH』に関する最新の研究成果もマーク氏によってアイルランドや英国まで広く紹介されている。
マーク氏は、中国の学者がこの時代の歴史を更に掘り下げて研究し、この時代の歴史を国際社会により一層理解・銘記させ、平和と正義の力をより着実に伝えさせることができるよう望んでいる、との意向を張潔氏などの学者に何度も表していたという。
(新華社より)
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