日本の漫画家、手塚治虫の代表作『ブラックジャック』は、無免許医の外科医がその卓越した医術で人助けをする物語だ。本作は2017年末に、初めて中国で映画化(実写版)される見通しだ。
中国の映画・テレビドラマなどの娯楽市場は急速に拡大しているが、この巨大な需要を満たす原作が大きく不足している。中国企業にとって、漫画の多くの原作を持つ日本は「宝の山」のようなものだ。手塚プロダクションは「経済発展と富裕層の拡大に伴い、社会と人間の闇の部分を深く掘り下げた娯楽性の高い作品が歓迎される」と予想している。
手塚プロダクション著作権事業局長の清水義裕氏は「中国の市場規模は日本をはるかに上回り、成長率も高い。中国企業はいくらでも予算の都合がつき、心配する必要がない。中国の不動産市場が低迷し、人件費の高騰により製造業の成長の原動力が失われ、経済が頭打ちしていると多くの人が言っている。しかし娯楽産業を見ると、中国企業は驚異的な勢いで発展している」と述べた。
中国企業は数年前より、漫画の著作権使用を目的に、何度も訪日している。手塚プロダクションだけでも、2015年に中国の関係者約30人と商談したという。また中国企業は原作の多くの著作権を持つ出版社などを何度も訪問している。中国企業による日本のIP(知的財産権)の「爆買いブーム」が巻き起こっている。
日本のアニメ制作会社は近年、海外での売上が低迷している。日本で人気のある作品も、海外で市場を切り開けずにいる。清水氏は「中国人は日本の原作から、キャラ設定やストーリーなどを学び、日本を急速に追い越そうとしている。100%中国製の娯楽コンテンツが日本で流行するのも、そう遠い先の話ではないかもしれない」と話した。
(チャイナネット)
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