ロイター通信ソウルの8月4日付記事によると、韓国の有名ブランド企業「アモーレパシフィック」は毎年、400種の「イニスフリー」ブランドを発表している。そのうち半分は1年で販売を終了する。同社を含む、数十に上る韓国の大衆化粧品ブランドの商品も、開発周期が非常に短い。このような「ファスト美容」戦略は中国やアジア諸国のミレニアム世代で注目を集め、アメリカやヨーロッパでの知名度も徐々に上がっている。そのため外国からの投資も集めている。
韓国は「ファストファッション」の原則を化粧品に持ち込んだ。いわゆる「ファストファッション」とは、ファッションショーでお披露目された服を迅速にストリートに出していくやり方で、消費者に最新の流行を提供するものだ。何千もの小さな化粧品企業は、争って新製品を市場に投入する。第三者メーカーは開発時間や調整時間を削減することで迅速に市場に投入する能力を持つ。
業界筋は、韓国ブランドは商品開発周期を4か月に区切っているが、世界の有名ブランドは1年以上を掛けていると明かす。
韓国は昨年、アメリカと日本を抜き、フランスに次ぐ化粧品対中輸出国となった。世界第二の経済大国に11億ドル相当のスキンケア、フェイシャルパック、ファンデーションといった美容製品を送り込んだ。
韓国化粧品の輸出総額は25.9億ドルで、2014年と比較して44%増だった。香港とアメリカが第2、第3の市場だが、規模は中国よりはるかに小さい。
韓国化粧品の販売総額は、免税市場でさらに加速している。韓国は世界最大級の免税市場であり、特に中国人観光客の影響が強い。税関データによると、今年上半期、化粧品は同国の免税収入5.8兆ウォンの半分近くを占める。
ただし欠点がないわけではない。ある税関職員によると、非公式な転売を防ぐために韓国税関庁は免税品の購入が50件を超えてはならないという規則を作ることを検討している。
アナリストは、これによって弱小企業の販売が落ちるが、大企業の免税店はすでに在庫調整のための購入制限を行っていると話す。
新しい成分、新しいパッケージ、新しい配合が、常に市場に出回っている。なにかが流行すると、韓国ブランドは迅速に反応する。アモーレパシフィックの2008年の人気商品であるエアーファンデーションは、ロレアル傘下のランコムとエスティローダー傘下のクリニークといった国際ブランドに模倣された。
同時に、十分に可愛いパッケージも販売の手助けをしている。
韓国準大手のLG Household &Health Careのブランド「The Face Shop」は7月、ディズニーキャラクターを印刷したエアーファンデーション13万件をわずか2日で売った。今年は600種類の新商品を出す予定だ。
韓国化粧品は流行を掴むのがうまいだけでなく、茶葉やロバの乳、カタツムリ、タツノオトシゴといった天然素材や漢方薬を使ったイノベーティブな商品も作り出している。外国人投資家にとって、韓国化粧品業界に参入するのは中国市場進出の足掛かりになるものだ。中国人は韓国のドラマや映画をこよなく愛している。
(チャイナネット)
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