出かける際、もし1つだけ持ち物を選べるとしたら、携帯電話と財布のどちらにするか。近年では、前者を選ぶ人が増えてきているのではないだろうか。北京日報が報じた。
北京に住む黄さんは「もうかなり長い間、現金を引き出していない。現金を使うのは罰金の支払いの時くらいだ」と取材に答えた。その場でポケットの中身を見せてくれたが、入っていたのは交通ICカードだけで、カードケースも財布も無かった。彼の周りでも同世代の友人たちはいずれも同様だという。そして思い返すと少なくとも半月は紙幣を持ち歩いていないと語った。
黄さんのような若者だけでなく、今年53歳になる鄭さんもモバイル決済族だ。ある時食料を買おうと出かけて財布を忘れた鄭さんだが、すぐに微信(Wechat)のオンラインお年玉にお金がチャージされていることを思い出し、手慣れた手つきで微信のホームを開き、右上の「+」ボタンを押してWechatペイを開いた。友達申請をする必要もなく、鄭さんはその場で野菜の料金20元ほどを店員に支払った。
大型スーパーやショップ、カフェなどでも決済時に現金ではなく、モバイル決済する人が増えている。Ogilvy& Matherグループと知名度の高い市場調査機関Ipsosが直近刊行した「キャッシュレス モバイル生活レポート」にもその答えが示されている。90年代生まれの大学生や若い社会人たちが、モバイル決済の先頭を切ったチャレンジャーとされている。第一線、第二線都市に暮らす17歳から22歳の大学生を調査したところ、「外出時に現金を持ち歩かない」大学生が12.7%。「所持金が100元以下」という大学生は58.1%。ホワイトカラーを対象としたインタビューでは、約35%近くの若いホワイトカラーが所持金は100元を下回ると答えている。
(人民網日本語版)
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