新華網東京8月10日(新華社記者/楊汀)今年82歳の日本の明仁天皇は8日午後、映像によるビデオメッセージを発表し、生前退位の意向を婉曲ではあるが、明確に表明した。
一方で、各種の法律と手続きの問題及びそれらの事柄に対する安倍政権の姿勢を前にして、明仁天皇の退位の意向が実現するかどうかは現時点では未知数と言える。
手続きが複雑
戦後の日本憲法は「皇位は世襲のものであって、国会の議決した『皇室典範』の定めるところにより、これを継承する。」と規定している。このため、『皇室典範』の改正、又は例外を容認する「特別法」を制定するためには、すべて国会で批准する必要がある。
これらの点から、天皇の生前退位は法改正という複雑な問題まで発展することがわかる。だが、法改正は通常、学術的討論、一般からの意見募集、政府内部の研究、最終的に国会で討論し、表決するなどの一連の複雑な手続きを通じて遂行していく必要がある。
この全体の複雑な手続きを実施する難度が十分に高いことは明白だ。アメリカのCNNとイギリスのBBCは次のような見解を示した。日本の天皇の生前退位は不可能で、今回の国会で限られた任期内に『皇室典範』の改正という複雑な問題に巻き込まれることは望んでいない。なぜなら、これは女性は皇位継承の権利を有するのかという敏感な問題を含む多くの論争の余地のある内容に関わるからだ。日本メディアは『皇室典範』改正、又は「特別法」の制定は、安倍内閣が一貫して画策してきた憲法改正の過程に影響を及ぼし、さらには些細な動きが全局に影響する可能性もあると指摘した。
政府の抵抗
歴史を見ると、安倍首相はかつて皇室制度の改正に明確に反対していた。2005年当時、小泉純一郎氏が首相を務めた間に『皇室典範』改正と女性皇族による皇位継承の容認に積極的な姿勢を示し、「『皇室典範』改正に関する有識者会議」を開催した。だが、当時、内閣官房長官だった安倍晋三氏は会議で『皇室典範』の改正を批判し、慎重に対処すべきだと主張した。
課題が多い
天皇の生前退位は日本の憲政史上初めてになるため、解決すべき多くの課題がある。これを受けて、日本メディアは関連課題の多さを「山のように堆積している」と形容した。これらの課題は、年号を改めるかどうか、皇室内部の継承順位をどのように調整するか、退位した天皇をどのように呼称するのか、退位した天皇の住居をどこにするか、待遇をどうするかなどを含む。
明仁天皇は退位の意向を公の場で日本の民衆に伝えたが、生前退位は法的手続き、政府の要望、国会の審議と措置及び世論などの多くの複雑な要因と関係するため、明仁天皇が最終的に望みを叶えることができるかどうかは定かではない。
(新華社より)
推薦記事: