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ニュース分析:日本の明仁天皇の「生前退位」談話は示唆に富む
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-08-09 16:17:45 | 新華網 | 編集: 吴寒冰

 新華網北京8月9日 (新華社記者/馮武勇)日本の明仁天皇は8日、テレビの録画映像を通じて談話を発表し、高齢のため、現行の憲法で定める国の行事と国家と国民の象徴としての公務を継続して履行できないと語り、「生前退位」を示唆し、民衆の理解を得ることを希望した。

 明仁天皇は高齢で健康状態が優れず、公務が多忙という事情はこの1~2年のことではないが、今回の突然、「生前退位」の意向を提起したのはおそらくある現実的な「危機感」によるもので、この危機感は安倍政権の動向と深く関係していると考えられる。

 7月14日、日本放送協会(NHK)は明仁天皇に「生前退位」の意向があるという特ダネのニュースを放送した。この情報は日本社会で大きな波紋を引き起こした。この「独ダネ」報道の3日前に、日本の国会参議院選挙結果が公表された。連立与党を含む「憲法改正派」の勢力が3分の2以上の議席を占め、執政党の衆議院の議席も3分の2を占めたことから、安倍政権は衆参両院で「憲法改正の提議」を行うための重要な難関を通り越したことを意味する。

 明仁天皇の「危機感」はまさに安倍首相の自民党の「憲法改正」が紙面から現実に変わったことに起因する。2012年4月、自民党は「日本国憲法修正草案」を公布した。草案は少なくとも2点の重大な修正が明仁天皇の一貫した信念と価値観と相反している。第一に、草案は現行の憲法第九条の「武力を持たず、交戦権を持たない」という表現を削除し、「国防軍」発足の必要性を提起している。これは一貫して戦争への深い反省を主張してきた明仁天皇にとって大きな衝撃だった。第二に、草案で天皇の地位を「元首」に昇格させることは明仁天皇が在位28年間に模索してきた国民と苦楽や禍福を共にする「象徴天皇」の位置づけと逆の方向に進むものだ。

 明仁天皇のもう一つの「危機感」は、安倍政権が皇室の継承問題で保守的で閉鎖的な立場を維持していることだ。日本メディアの報道によると、安倍首相は一貫して女系天皇、「女性宮家」などの制度の創設に断じて反対している者だ。徳仁皇太子に男の後継ぎがおらず、皇太子妃の健康状態も良好でないため、日本の一部の保守勢力は多くの不満を訴え、一部の街頭の新聞や雑誌でもいわゆる「宮闘」(後宮の闘い)をめぐる世間での根拠のないうわさを度々、騒ぎ立てている。明仁天皇に「生前退位」の意向があるのは、自身の後の皇位継承に混乱が生じることを懸念する可能性もある。

 明仁天皇は談話で「あと2年で平成30年だ。」と言及している。これは明仁天皇が2年後に「生前退位」の望みを叶えることを希望していることを暗示するかも知れない。この期間に安倍政権の本来の構想であった憲法改正を優先的に推進するという政治スケジュールは、これでより多くの変化が生じる恐れがある。明仁天皇の初志がどのようなものであっても、安倍首相の「憲法改正の野心」に難題が降りかかったことになる。

 

(新華社より)

 

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新華網日本語

ニュース分析:日本の明仁天皇の「生前退位」談話は示唆に富む

新華網日本語 2016-08-09 16:17:45

 新華網北京8月9日 (新華社記者/馮武勇)日本の明仁天皇は8日、テレビの録画映像を通じて談話を発表し、高齢のため、現行の憲法で定める国の行事と国家と国民の象徴としての公務を継続して履行できないと語り、「生前退位」を示唆し、民衆の理解を得ることを希望した。

 明仁天皇は高齢で健康状態が優れず、公務が多忙という事情はこの1~2年のことではないが、今回の突然、「生前退位」の意向を提起したのはおそらくある現実的な「危機感」によるもので、この危機感は安倍政権の動向と深く関係していると考えられる。

 7月14日、日本放送協会(NHK)は明仁天皇に「生前退位」の意向があるという特ダネのニュースを放送した。この情報は日本社会で大きな波紋を引き起こした。この「独ダネ」報道の3日前に、日本の国会参議院選挙結果が公表された。連立与党を含む「憲法改正派」の勢力が3分の2以上の議席を占め、執政党の衆議院の議席も3分の2を占めたことから、安倍政権は衆参両院で「憲法改正の提議」を行うための重要な難関を通り越したことを意味する。

 明仁天皇の「危機感」はまさに安倍首相の自民党の「憲法改正」が紙面から現実に変わったことに起因する。2012年4月、自民党は「日本国憲法修正草案」を公布した。草案は少なくとも2点の重大な修正が明仁天皇の一貫した信念と価値観と相反している。第一に、草案は現行の憲法第九条の「武力を持たず、交戦権を持たない」という表現を削除し、「国防軍」発足の必要性を提起している。これは一貫して戦争への深い反省を主張してきた明仁天皇にとって大きな衝撃だった。第二に、草案で天皇の地位を「元首」に昇格させることは明仁天皇が在位28年間に模索してきた国民と苦楽や禍福を共にする「象徴天皇」の位置づけと逆の方向に進むものだ。

 明仁天皇のもう一つの「危機感」は、安倍政権が皇室の継承問題で保守的で閉鎖的な立場を維持していることだ。日本メディアの報道によると、安倍首相は一貫して女系天皇、「女性宮家」などの制度の創設に断じて反対している者だ。徳仁皇太子に男の後継ぎがおらず、皇太子妃の健康状態も良好でないため、日本の一部の保守勢力は多くの不満を訴え、一部の街頭の新聞や雑誌でもいわゆる「宮闘」(後宮の闘い)をめぐる世間での根拠のないうわさを度々、騒ぎ立てている。明仁天皇に「生前退位」の意向があるのは、自身の後の皇位継承に混乱が生じることを懸念する可能性もある。

 明仁天皇は談話で「あと2年で平成30年だ。」と言及している。これは明仁天皇が2年後に「生前退位」の望みを叶えることを希望していることを暗示するかも知れない。この期間に安倍政権の本来の構想であった憲法改正を優先的に推進するという政治スケジュールは、これでより多くの変化が生じる恐れがある。明仁天皇の初志がどのようなものであっても、安倍首相の「憲法改正の野心」に難題が降りかかったことになる。

 

(新華社より)

 

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