【金人気の理由は経済に対する自信のなさ】
日本で金の価格が今年初めから25%上昇している。金の価格上昇をもたらしているのは英国のEU離脱問題ではなく、アベノミクスの破綻によるものである。経済に対する投資家の不安感が「金買い」を誘っている。
田中貴金属工業が13日発表した今年1~6月の金地金販売量は、1万4917キログラムと前年同期より30%増えた。同期間の日本国内の金の価格は1グラム当たり4413円と同6.3%値下がりした。田中貴金属によると、米FRBの利上げの遅れと世界的な金融不安によって投資家がリスク回避姿勢が強めたとしている。また金価格の下落は円高ドル安によるものだとしている。6月の販売量は5月に比べて60%増えている。
別のデータも同様の傾向を示している。東京商品取引所が発表した6月の1日当たり金の取引量は前年同月比45%増え、前月比20%増えた。World Gold Councilによると、日本の消費者の今年第1四半期における金に対する需要は6.8トンだった。
日本銀行は今年1月末にマイナス金利を発表したが、その後円は上昇を続け、年初来の値上がり率は20%に達した。これは世界経済を不安視する資金が海外から逃避したためで、日本経済を強気に見ているためではない。6月24日の英国のEU離脱決定を受けて円は3年ぶりの高値をつけ、同時に金の販売量は4倍に増加(田中貴金属調べ)、株価は5年ぶりの安値、10年国債の金利はマイナスとなった。
業界関係者は「金はリスク回避資産として買われている。その値動きも英国の国民投票を前に金を購入した多くの投資家の読み通りになっている。世界の投資家は今、経済の不確実性に直面している。このため金価格は今後も堅調に推移し、資金流入も続く」との見方を示した。
【中国では模様眺め続く】
中国で2013年に起きた“金ブーム”は記憶にまだ新しい。全国各地の金の販売店に投資家が押し寄せた。しかしその後相場は急落。現在多くの投資家の含み損を抱えながら、相場の回復を冷静に待っている状況である。
7月15日夜、トルコの政変のニュースが流れると金価格が上昇した。16日の国際金価格は1オンス1337.25元、国内価格は1グラム286.35元となった。しかし国内の金販売店での客足は前回のブーム時とは比ぶべくもなかった。店頭の販売価格もどの店もほぼ同じで、ほとんど1グラム360元前後だった。「客足が良いとはいえない。価格が上昇を続けているため、硬いニーズがある客以外は容易に購入しない」とある店員。金の価格は平和のときにそれほど大きく値上がりしないものだという。
また別の店員は「価格が上昇して、かえって投資家がしり込みしているのが、今のさみしい状況だ」と話す。
(チャイナネット)
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