全国乗用車市場情報聯席会がこのほど発表した今年6月の自動車販売に関する最新データをみると、同月の中国自動車市場における販売台数は「好調だった5月」に続いてさらに増加傾向を示し、狭義の乗用車の卸売販売台数は1万7349台に上り、前年同月比20.6%増加した。上汽通用(GM)汽車が逆襲を果たし、上汽大衆(VW)と一汽大衆を抜いて1位の座に上り詰めた。国産ブランドの吉利汽車も売り上げが好調で上位10位以内に入った。人民網が伝えた。
上汽通用がトップに立ったことにはわけがある。全体として販売が順調な伸びを維持し、多くの車種で好調な売り上げが続いたからだ。だが上汽通用が設定した今年の年間販売台数目標は187万台で、現在までの中間業績をみると達成率は44.4%にとどまる。問題は一連の長い車体で昔からある車種の売り上げが落ちていることが考えられるが、新車の市場投入リズムをみると、上汽通用は突破口を見いだしたとみられる。シボレーの「クルーゼ」やビュイックの「アンコール」が投入される計画で、販売目標の達成に向けた有力な「援軍」になるものと予想される。同データによると、上汽通用の販売台数は14万5986台で、2位の上汽VWの14万5585台をわずかに上回り、今年初めて1位の栄冠に輝いた。3~7位の顔ぶれは変わらず、先月9位の一汽トヨタと10位の広汽ホンダがベスト10から姿を消した。
その他のメーカーは販売の変動ぶりがそれほど大きくなく、日系ブランドでは日産、マツダ、ホンダが6月に中国販売台数で軒並み同月の最高を更新した。排気量の小さい車種に対する減税政策と密接な関連があるとみられる。東風日産の順位は先月の5位から4位に上昇。傘下の主力車種「シルフィ」の売り上げが好調だったこと、日産全体で販売台数が前年同月比17%増加したことが背景にある。トヨタは6月の総販売台数が同3.4%減少し、今年に入って初めて前年同月の水準を上回った。これは傘下のコンパクトカーの売り上げが落ち込んだことと関連があると考えられる。
6月には吉利がベスト10入りし、中国ブランドにとってうれしいニュースとなった。好調な売り上げを達成できたのは、傘下の「ヌル」や「エムグランド」の伸びと一定の関係がある。吉利で最も人気があるエムグランドのリニューアル車は今年6月だけで1万6969台を売り上げ、前年同月比46%増加した。またヌルのSUV車(スポーツ用多目的車)が8142台に達し、5月は6049台、4月は4002台だったので、毎月2千台前後増えたことになる。
6月には自動車市場全体で売り上げが大幅に増加し、各メーカーの上半期増加ペースは予想と一致し、一部のメーカーは中間目標を達成した。また今年6月末以来の長江流域などでの深刻な洪水災害を受けて、自動車市場も停滞を余儀なくされたが、災害後には需要が回復し、買い換え需要も伸びると予想される。そこで今後2カ月間は小売 卸売の急速な増加傾向が大きく制約されることはないとみられる。
(人民網日本語版)
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