「二次元」とは、ネットメディアによって伝播され浸透する日本発のサブカルチャー現象であるが、中国国内でも近年広がりを見せている。専門家は、今後5年間を二次元産業の国内高度成長期と予想している。インターネット関連の新興産業大手による、二次元分野への投資も日増しに激化している。
中国上場企業、ゲーム開発会社の遊族網絡はこのほど、日本のゲーム開発会社DMMゲームズと契約し、有名二次元ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」の国内代理業者になることを発表した。また企業のリリース・商品・IP(知的財産権)に基づく二次元戦略を発表した。
同社の陳礼標COOは、「中国の二次元産業は現在、アニメ、マンガ、ゲーム、小説の各分野で構築されている。二次元ユーザーおよび産業規模も、コアユーザーの年齢の上昇に伴い、急速に拡大している。二次元文化の発祥の地は日本だが、二次元ゲーム・製品の面で、中国企業は開発・リリースの強みを握っている」と述べた。
業界内では、中国の二次元産業は高度発展の前夜を迎えているとされている。一般的な映画・アニメ会社の他に、IT大手は2014年より若い消費者を勝ち取るため、同分野に巨額の資金を費やしている。うちゲーム開発会社はアニメの知的財産権の取得、二次元映像作品への投資に強い意欲を示している。専門家は、アニメやライトノベルの知的財産権の取得、アニメとゲームの連動が、2016年に新たな見どころになると予想している。
しかし中信証券は、国内の二次元産業チェーンの構成を見ると、まだ発展の初期にあると判断している。百度、アリババ、テンセントおよび一部上場企業は、動画サイト・マンガコミュニティ・小説サイトの多くのユーザー、自社の潤沢な資金を持つが、その他の二次元産業関連企業は小規模となっている。経営者は自社のブランド力を形成しておらず、質の高い知的財産権とキャラクターによる関連商品市場の開発の不足が深刻だ。
専門家は、国内二次元経済の数千億元規模の市場を形成するためには、業界関係者による丁寧な取り組みが必要だとしている。技術の進歩とコストダウンによるインターネットプラットフォームの台頭は、新世代の二次元創作者の急増、優秀作品の誕生の基礎を固めている。中国は現在、一連のマンガ創作垂直型(特定の分野に特化した)サイトを持ち、同時にネット小説とライトノベルの発表の場を形成している。これは二次元産業全体の発展に、現地化を促すコンテンツを供給している。
(チャイナネット)
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