▽ビッグデータからみる「100年に1度の寒波」の経済への影響
エルニーニョ現象はすでにピークに達した。このたびの寒波は中国を震え上がらせただけでなく、世界規模で影響を与えている。英国では先週、寒波の襲来により、最低気温がマイナス12度になった。米国では現地時間の22日、多くの地域が強風と大雪に見舞われ、いくつもの省が緊急事態を宣言した。気象部門の予報では、この週末に米国の20以上の州が風と雪に封じ込められ、8500万人以上が影響を受けたという。アナリストは、「冬の気温の大幅な変動が人々の消費習慣にも影響を与えている」と指摘する。
低気温が経済に与える影響はデータによっても証明される。過去のデータをみると、2013年の冬には、12月の非農業分野の雇用データが7万4千人に激減し、予想をはるかに下回った。自動車販売量や製造業などの別の経済データも、いずれも短期的に予想をはるかに下回った。経済関係者は、「13年から14年にかけての厳寒の気候により、米国経済には500億ドル(約5兆9340億円)の損失が出て、7万6千人の雇用が失われた」と指摘する。
バンクオブアメリカ メリルリンチによると、過去10年間のデータから、12月の気温が例年よりも1度下がると、非農業分野の雇用が予想より3万8千人少なくなる。第1四半期(1-3月)に厳寒の気候が訪れると、第4四半期(10-12月)よりも経済に大きなマイナス影響を与える。第1四半期の気温が例年より1度下がるごとに、通年の国内総生産(GDP)が1.5%減るという。
だが寒さが経済に与える影響は両刃の剣でもある。冬物衣料品を多く手がけるブランドは、寒さに乗じて在庫を大量にさばくことができるが、春夏物衣料品を主に製造するメーカーは、春物の出荷計画を遅らせることになる。
厳寒の気候で電力使用量が急速に増加し、電力会社や暖房供給会社にとっては朗報だ。食品産業では、ホットチョコレートなどの高カロリー食品が利益を上げることになる。過去のデータをみると、厳寒の中、こうした産業の多くは株価が短期間で大幅に値上がりしている。
(人民網日本語版)
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