豪ニューサウスウェールズ大学世界金融研究所所長Fariborz Moshirian氏は新華社の取材に応じた際に、世界銀行の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の経済影響に対する分析は意外ではなく、TPPの米豪など先進国への経済効果は非常に限定的だとする観点を示した。
世界銀行は先ほど発表した報告書の中で、TPPの正式な発効後、加盟国のうち先進国が得る経済効果は微々たるものだとした。TPPによって、オーストラリアのGDPは2030年までに約1%押し上げられ、米国は1%にも満たないというのだ。
同氏は、「TPP加盟国の関係は、今後5−10年に渡り緊密とは限らない。具体的な状況は、アジア太平洋および世界のその他の勢力の変化にかかっている」と指摘した。
オーストラリアの多くの専門家は、アジア太平洋にはすでにASEANなど地域内の組織があるが、それにも関わらずTPPを推進することには政治的な意味合いがあるとしている。
しかし同氏は、「オーストラリアなどの国はTPPのすべてのデータ、情報、詳細な内容を明らかにしておらず、TPPの実際の収益を数値化するのは難しい。TPPの最終的な効果については、今後の経過を見守る必要がある」と述べた。
5年間の交渉を経て、米国、日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ベトナム、マレーシアなどの12カ国は昨年10月、TPP協定交渉で大筋合意に達した。この貿易協定は世界のGDPの4割を占め、投資、サービス、電子商取引、政府調達、知的財産権、労働者、環境など30の内容が含まれる。
(チャイナネット)
関連記事: