アナリストによると、国内外で反対の声が上がる中、日本政府のこの法案の実施には大きな困難が予想される。日本大学の政治経済学科の岩井奉信教授は、安倍政権がこの法案を実施すれば支持率の低下は避けられないとの見方を示している。
日本の野党の力が弱く、安倍首相が党内でも強敵を欠いていることから、一橋大学の加藤哲郎名誉教授は、安倍政権は「しばらくは持ちこたえられるかもしれないが、その政治的資本は減少していく」と見ている。
加藤教授によると、日本政府がいつこの新たな法律を運用するかは国際情勢によって決まり、「今年か来年になるかもしれないし、今後数年にわたって運用されないかもしれない」。だがこの法案の運用によって自衛隊員が死傷すれば、「深刻な政治問題となる」ことは間違いない。
集団的自衛権の解禁は、第1次安倍内閣ですでに打ち上げられていた10年越しの宿願だった。その意図は、「対等な日米同盟」を実現することにあるとされ、安倍首相は「日米の威嚇力は国家の安全に益する」と主張している。だが日本メディアは、対米重視から自衛隊の海外での活動範囲を拡大することは、日本の戦後の平和国家としてのイメージを損なうことにつながると指摘している。安保法案は「両刃の剣」である。
自民党のあるベテラン議員は、米国が軍事費を削減していることを指摘し、「米国が自衛隊にさらなる負担の肩代わりを求めるようになれば、日本の主体性が問われることになる」と警鐘を鳴らしている。
(チャイナネット)
関連記事: