中国の政治家や研究者は、2008年金融危機の教訓を踏まえて、中国が進める経済・社会体制を「中国の特色ある社会主義市場経済」と呼び、その優位性を説く意見を多く発表している。しかし筆者の分析によれば、どの意見も“結果的に”中国経済の持続安定性が保たれている理由を説明しているだけで、中国の「社会主義市場経済」を理論化・普遍化することにはまだ成功していない。中国という国家自身がこの経済体制の完成に向けて現在進行中であるという事情もあるが、それにしてもマルクスやアダムスミスのような理論体系化を目指そうという動きは見えてこない。大げさに言えば、中国の「社会主義市場経済」の理論化・普遍化は、今後の近未来の世界経済に貢献していくために不可欠の研究活動なのである。
世界発展のための第二の貢献は、研究のための情報公開や環境整備である。中国の経済、社会そして環境問題に至るまで、この複雑化した問題を解決するには諸外国の過去の経験は大いに参考になるはずである。例え外国人であっても、適正な研究活動、事業活動のためであれば、一定の手続きを経て経済や社会の客観的データの入手ができるように、情報環境の改善を図ってほしい。今後5-10年は中国でインターネット経済が爆発的に普及するだろう。研究者や国民の情報収集の手段もほとんどがスマホ経由になる。中国はこの分野で世界をリードする存在になってほしい。
未来5-10年の中国の第三の世界貢献は、世界平和のための広報活動である。 筆者が提案したいことは、中国がもっと世界を安心させる広報活動を増やすことである。最近、世界経済や政治は複雑化し、今後5-10年は混迷化の時代を迎える可能性が高い。争いごとが起こる危険はとみに増してきている。我々は日本の安倍政権に対して、もっと他国に思いやりのある情報発信をするように求めていきたい。だから中国も世界に対してもっと「安心」を伝える広報活動を推進して欲しい。世界の成長センターであるアジアの平和が世界への大きな貢献になるのだ。
(チャイナネット)
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