日本の情報サイト「J-CASTニュース」は5月24日の記事で、ソニーの衰退の原因を分析した。要約は下記の通り。
復活の道を模索するソニーに対し、「米国型経営から脱却し、モノ作りの原点に帰れ」的と言う人たちがいる。どうやらモノ作りの重要性を忘れ、米国式の利益追求型にシフトしたことが、今日の低迷の理由ということらしい。
だが本当にソニーを狂わせたのは米国型経営なのだろうか。過去のようなモノ作り重視に戻せば、本当にソニーは復活できるのだろうか。これは検討すべき問題だ。
モノ作りも株主も重視しないソニー
まずは現状のソニーがどういう組織かを見てみよう。四季報によると、ソニーの従業員平均年齢は42.5歳で、しかも4割が管理職といういびつな構成となっている。この会社が『米国型経営』でも何でもないことは明らかだ。
ところが、モノ作り重視でもないとする観点がある。少し考えると、部員10人の部署があったとして、部長1人、担当部長1人、課長2人と部下6人が在籍しているとすると、これで自由闊達なモノ作りができるだろうか?
部下6人に対して、管理する側は4人いる。しかも、人件費で見れば管理する側の方が上回っている。「現場の技術者が大事にされ、自由闊達に業務に取り組んでいる姿」とは程遠い様子が目に浮かぶ人はいないのだろうか。
今のソニーは、確かに往年のモノ作り重視経営ではなくなっている。とは言え米国型経営ほど合理的でもなく、むしろ両方の悪い所がミックスされている状態だ。