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陳水扁氏「出獄」で台湾青緑陣営の「囚人のジレンマ」は解けない
jp.xinhuanet.com | 発表時間 17:02:51 | | 編集: 谢艳

   【新華社台北1月6日】収賄の罪で6年余り服役中だった台湾当局前指導者の陳水扁氏は5日、ついに要望が受け入れられ、当局「矯正署」に1カ月間の病症借保釈を許可されて出獄し、高雄の自宅で療養している。

   昨年11月29日、台湾の「九合一」統一地方選挙で大勝した民進党は、その直後から「陳水扁救出劇」が演じられている。蔡英文民進党主席、一部の緑営県市長などの動きが活発化し、陳水扁氏の体調の悪化を理由に、当局に陳氏が病症借保釈を許可するように求めた。民進党支持派「緑営」の重压に迫られたのか、或いは青緑対立を緩和するためなのか、台湾当局は1月5日、陳水扁氏の病症借保釈を許可した。民進党中央党部は、即時に声明を発表し、当局の決定に同意し、この動きは社会の対立を緩和し、社会の調和を促進するためにプラスになる、と表明した。

   陳水扁氏一人を「救出」することが、全社会の対立緩和、増進と調和に本当に役立つのだろうか。陳水扁氏が台中の刑務所を釈放された際に、意識して緑の服と「扁案は政治的迫害」と書かれた緑の帽子を着用し、「緑営の正統性」を標榜し、「迫害」に対する不満を無言で表現した様子を目にしたが、それに対する答えは明らかに「ノー」だと言える。

   島内で、陳水扁氏を釈放するかどうかは、従来から純粋な医学問題ではなく、議論を呼ぶ政治問題となっている。国民党当局は医学的専門性と人道的判断に基づくと弁解できるが、青営支持者に対し罪を認めず、「台湾社会への謝罪がまだ行われなかった」陳水扁氏が再び自由の身になる事実を受け入れるように説得することは難しいと考えられる。5日、台中の刑務所の入口で発生した青緑支持者の衝突がその例だ。さらには、一カ月が経過した後はどうなるのだろうか。当局にとっても難題と言える。台湾法務部門は陳水扁氏に対し、政治活動に従事しない、刑務所側の査察を故意に回避しないなどの制限を設け、且つ病状が安定した後に刑務所に戻って服役することを強調しているが、島内の世論は、たとえ陳水扁氏の体調が好転しても、当局は「再び身柄を拘束し、服役させることはないだろう」という見方が一般的だ。

   民進党にとって、陳水扁氏の病症借保釈の後続的な政治的効果は、さらに吉凶を推測し難い。この点については、5日に陳水扁氏が釈放された際に、「908台湾国」などの「台湾独立」勢力が歓声を上げて小躍りし、民進党が即時に意図的に「冷却処理」を行ったことが明白だ。孤独に耐えられない陳水扁氏が帰宅後に「静養」するのか、それとも機会に乗じて文章を発表する、面会に来た人たちと政治を語るなどの方式で、継続的に「余熱を発散」するのか。さらには、「一辺一国連線」などの「陳水扁系」勢力と「台湾独立」勢力を再結集し、蔡英文氏をリーダーとする民進党中央党部と意図的に「温和に方向転換」し、牽制するのか。外界の大多数の関係者は、後者の可能性がより高いと見ている。まさにこういった理由から、国民党の民意代表は民進党は「身震いしている」と語り、『聯合報』は蔡英文氏はて厄介な難題に直面している、と評しているのだ。

   陳水扁氏は現在、有形の檻の中から脱して自由の身となったが、それぞれに思惑のある青、緑二大政党は依然として無形の束縛を受けている。台湾独特の政治環境のもとで、青、緑陣営の「囚人のジレンマ」は容易に解くことはできないだけでなく、引き続き事態が深刻化する恐れもある。

(新華網日本語)  

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