華南農業大学の国家植物航天育種工程技術研究センターにある温室内で発芽したばかりの種もみ。(2月26日撮影、広州=新華社配信/張梓望)
【新華社広州3月31日】中国の月探査機「嫦娥5号」に搭載された稲の種もみから発芽した苗が29日、広東省広州市の華南農業大学に設けられた国家植物航天育種工程技術研究センターの温室から、市内増城区にある同大学の試験田に植え替えられた。
苗は研究員らによって、1穴に1本ずつ3センチの深さに植えられた。根の部分を保護し、後続の研究や追跡がしやすいよう、倒れない程度に浅く植え付けられた。同じ水田では、運搬ロケット「長征5号」に搭載された種もみや重イオンビームを照射した種もみから発芽した苗も育てられている。研究員らは今後、深宇宙での実験、地球近傍軌道の周回、地上シミュレーションをそれぞれ経た3種類の種もみを比較し、最良の品種を選んで育てるという。
今回植えられた苗は5月末から6月初旬に穂を付け、7月初旬には収穫できる見込み。
嫦娥5号に搭載された稲の種もみは計40グラムで、昨年11月に月に着陸し、約23日間、76万キロにわたる「月周回旅行」を経て地球に帰還した。種もみまきは2月26日までに終了していた。(記者/劉大偉)