7日、第10回「縦論天下」国際問題シンポジウムの会場の様子。(北京=新華社配信/李清)
【新華社北京1月10日】中国国家通信社、新華社傘下のニュースサイト「新華網」本部で7日、第10回「縦論(放談)天下」国際問題シンポジウムが開かれた。今回のシンポジウムは「大変局の中にある中国と世界」をテーマに討論が行われた。参加した専門家らは米国の一国主義や中東情勢、欧州発展の展望、グローバル経済の情勢など、現在世界で注目されるトピックスについて踏み込んだ議論を交わすとともに、中国外交の今を巡る新たなブレークスルーやチャンス、行動について分析と検討、評価を行った。
出席した専門家らは2019年を世界の情勢が同時多発的に揺れた年であったと総括し、次のように表明した。米国政府は「アメリカ・ファースト」政策を掲げて世界の勢力均衡を乱し、世界の政治・経済関係の新たな調整を誘発、世界的な不満と抗議を招いている。米国とイランの関係悪化で湾岸地域の情勢はにわかに緊張が高まっている。米国・イラン関係とシリア情勢という二つの主要リスクの行方を巡り、中東をとりまく各勢力間でも衝突がくり返され、中東は2020年も穏やかではない。英国の欧州連合(EU)離脱は、ジョンソン首相のリーダーシップの下で明るい展望が開ける可能性がある。ドイツの政局は比較的安定し、フランスは国内改革が避けて通れない状況にある。現在、世界経済は低迷を続けており、人々の間には経済の先行きへの懸念が広がっており、「不確実性」は間違いなく世界経済に影響を与えるキーワードとなっている。
専門家からは、世界が「百年に1度の大変革」を迎えている現在、中国は歴史的視点に基づく十分な忍耐力と戦略的な定見、ボトムラインを意識した思考を保ち、大きな変化がもたらす、新時代の改革開放を促進するための歴史的チャンスを決して無駄にしてはならないという意見が出された。
専門家らはまた次のような見解を示した。複雑に入り組んだ国際情勢に直面した2019年、中国外交は多くの新しい歴史的特徴を持つ一連の闘争を展開した。中ロ関係はさらなる成熟と安定に向かい、中日関係は今年の中国の周辺外交の重要な目玉となることが見込まれる。中国の外交談話のリーダーシップと造形力は次第に高まっており、ホスト国外交の優位性を頼りに、相互接続されたパートナーシップシステムの構築を絶えず推進し続けるだろう。
「縦論天下」国際問題シンポジウムは新華網の主催で2010年に始まった。每年著名な専門家や学者を招き、国際情勢や中国外交の現状について率直な意見を述べ合う場として、専門家シンクタンク「縦論天下」の恒例の年次活動というブランドが定着し、国内外の幅広いネットユーザーから支持されている。(薛筆犁、劉小軍)