7日、海洋曳航断面測定器を回収する観測隊員。(雪竜2号=新華社記者/劉詩平)
【新華社雪竜2号1月10日】中国第36次南極科学観測隊は北京時間8日午前1時、さまざまな海洋生物が入った大型トロール網を深さ1200メートル余りの海底から極地調査砕氷船「雪竜2号」の甲板に引き上げ、コスモノート海での総合科学観測を無事終えた。
今回の観測は中国が独自に建造した雪竜2号による初の海洋科学観測であり、中国がコスモノート海海域で実施した初の総合科学観測でもあった。37日間行われ、作業海域は東経33~73度、南緯62~67度にわたり、航行距離は5千カイリ以上となり、人類にほぼ知られていない極地海域に関するデータとサンプルを入手した。
雪竜2号海洋隊の曹叔楠(そう・しゅくなん)隊長によると、今回の観測では海洋温度や塩分濃度、栄養塩などの環境データ、マイクロプランクトンのサンプル、異なる水層のプランクトンのサンプル、オキアミのサンプル約25キロ、ウミユリやウニ、エビなどさまざまな底生生物のサンプルを採取した。
同隊の何剣鋒(か・けんほう)首席科学者は、コスモノート海が国際的にほとんど知られていないとし、今回の観測によって、同海の基本的な環境と生物群集について体系的な理解を得たことは、南大洋の生態環境と各海域が地球の環境変化に与える影響について理解を深め、それに基づき気候変動の影響を分析するための重要な意義を持つと説明した。