12日、自宅で漆器の素地 (きじ) に漆(うるし)を塗る丁国坤さん。(南昌=新華社記者/胡晨歓)
【新華社南昌10月16日】「鄱陽脱胎漆器髹漆(きゅうしつ、漆塗を主とする漆芸技法)技術」の国家級無形文化遺産の継承者、中国江西省上饒(じょうじょう)市鄱陽県鄱陽鎮の丁国坤(てい・こくこん)さん(76)は、脱胎漆器(芯材を持たない漆器)の制作で、これまで「中国工芸美術百花賞」などの賞を数多く受賞してきた。丁さんは1973年に2人の漆芸師と協力し、伝統技術をもとに初めて開発した「鋳型凝固離型法」で従来の古いやり方を改良し、脱胎漆器の成形技術を新たなレベルに引き上げることに成功した。
景徳鎮の陶磁器、北京の景泰藍(七宝焼)とともに「中華三宝」と称される脱胎漆器の制作は漢代に始まり、明清代以降には長江以南の地域で盛んになった。天然漆、綿麻の布を用いて伝統的な技法で作られる漆器は、防湿、電気絶縁性、耐酸性、防腐性、無毒などの特徴を備え、しっかりした素地や上品な装飾、調和のとれた色彩で国内外に知られている。