【新華社北京7月15日】中国上海石油天然ガス取引センターはこのほど、中国海洋石油総公司(中海油)気電集団広東販売支社、珠海販売支社の委託を受け、国内初の液化天然ガス(LNG)入札募集取引を行った。
取引センターの公告によると、入札募集規模は2千トン、1社当たりの応札規模は最小で20トン、最大で1千トン、応札価格下限は1トン3950元、引き渡し地点は中海油珠海金湾LNG受け入れ基地、時期は7月16日-7月31日。12日午前の取引で、入札募集に応じた企業の有効な注文は5600トン、LNG2千トンはすべて売れ、加重成約平均価格は1トン4088・5元だった。
取引センターの付少華副総経理は「今回の入札募集取引はオークション方式より効率が高い。顧客は自らの需要に応じて価格を提示し、価格負担力に応じて複数の対象に応札できる。潜在的な市場を発掘し、市場需給の変化に応じ、市場化した取引価格を形成することができる」と述べた。
商品情報大手・卓創資訊の天然ガスシニアアナリスト、劉広彬氏は「以前のオークション方式では買い注文が多くても、注文を分割することができなかったが、今回の入札募集では、顧客は最小20トンから注文できる。全顧客の注文累計が入札募集の80%に達すると、取引は有効となる。取引モデルはより柔軟なものとなり、需給双方にとって好都合となる」と述べた。
中海油気電集団貿易支社の魏琳LNG貿易経理は「今回の入札募集は中海油の『革新駆動』戦略をさらに貫徹し、市場ニーズを導きとし、ビジネスモデルの刷新を積極的に模索したもので、価格発見方式を多様化させるだけでなく、価格行為を規範化させ、天然ガス市場化改革に向けて経験を模索するものとなる」と述べた。
劉広彬氏は「国内LNG価格の2017年の乱高下を経て、市場関係者は、厳密な価格基準が業界発展にとっていかに重要かを身にしみて知っている。珠海金湾受け入れ基地が取引センターで行った入札募集取引は、川下のユーザーが調達コストを固定する助けとなるだけでなく、川上のサプライヤーが適正価格で販売することを可能にするもので、LNG市場にとって重要な意義がある」と指摘した。
中国石油大学の劉毅軍教授は「天然ガス需給が全体としてひっ迫する中、こうした取引モデルはある程度、価格の過度の押し上げというリスクを回避し、市場観測をよりよく誘導し、需給双方の適正な価格による取引を促し、コストを低減させることができる」との認識を示した。
取引センターは2016年11月26日に開業後、市場価格形成と供給安定化の役割を果たしてきている。取引センターは4月、中海油寧波LNG受け入れ基地が7月と11月の供給確保をにらみ、先行販売を行うことを主導した。当時に成約した7月引き渡し価格は1トン3380元だった。現在、華東地域の成約価格は1トン4千元を超える。末端ユーザーはこの取引により、供給源と価格をロックし、値動きのリスクを回避し、川上と川下の安定的で長期的な協力関係を促した。
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